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7話:魔法

 チュン……チュン……。


 目を開けると、そこには――……。


挿絵(By みてみん)


 いやいやいやいや、待ってくれ!

 誤解だ、そんなわけない。昨日の事思い出そう。

 引っ越しの仕事をして、美少女を拾って宿に入った。

 …………待ってくれ……。


「んっ……」


 お、起きちゃった、ど、どうすればいいんだ。


「う……ん……あ。ユート……おはよ……うなの」

「ロッティおはよう。……じゃなくてなんで裸なの!?」

「あ……ごめんなの、服1着しか持ってないの……魔族と一緒に寝るなんて嫌だったの、ごめんなの 」

「そうじゃないんだけど……後ろ向いてるから服を着てくれ」


 掛け布団をずらさないようにベットから出て背を向けると後ろから衣擦れの音が聞こえてくる。

 これも背徳感があってまずいな……。


「ユート、もう大丈夫なの」

「ああ、それで昨日は……」

「ユートに魔力を注いだら急にユートが倒れたの……」


 そうだった、過ちはなかった。


「そっか、僕ももう魔法が使える様になったの……かな?」

「なの、練習すればすぐに使えるようになるの。もう魔力は分かるようになってると思うの」

「うーん……もしかして、この体を覆ってるもやもや……みたいなのかな?」

「正確に言うと魔力はどこにでもあるの、今ユートが感知できる魔力がそのもやもやなの。


 なるほど……。

 確かに感じれる部分のもやもやを意識すると少し動かせる。


「ユート、今日草刈のお仕事があるんじゃないの?」

「そうだね、じゃあ朝ごはん食べに行こうか」


 ロッティはきょとんとした顔をして首を傾げた。

 朝ごはんが通じないのかな?


「朝……ごはん……なの?」

「朝ごはんの文化はないの……かな?」

「あるにはあるけど王様とかお金がある身分の人だけなの」

「ロッティも昔は?」

「なの、食べてたの。でも食べなくても大丈夫なの。それに朝ごはん出してくれるお店もめったにないの」

「うーん……そうか、朝ごはんも食べれるように働いてくるよ、宿は今日の分も払っておくからロッティはここで待ってて。半日ぐらいしたら戻ってくるから」

「なの、待ってるの!」


 宿のおばちゃんに今日の分の4アルグを払って引っ越しの仕事に向かう。

 女将さんに「昨晩はお楽しみでしたね」とやっぱり言われたのは余談だ。くそっ事実じゃないのに妙に否定しにくいのはなんでだ。


――――――――――――――――――――――――――――――


「この角を曲がって……っと、あの家かな……。こんにちは!冒険者ギルドから派遣された悠斗です」

「ん、おお、よろしくね。じゃあ早速だけど――――……」


――――…………


「お疲れさまでした!」

「うん、お疲れ、じゃあこれアチーヴメントね」

「はい、ありがとうございます!」

「なんか昨日魔族が街にでたとかって話があるし気をつけて帰ってね」

「あはは……、気をつけます」


 ロッティの事だろうなぁ……。

 まぁロッティは危険じゃないし安心して冒険者ギルドに寄って換金して、なにか良い仕事を探さないとな。


――――――――――――――――――――――――――――――


「お、あんちゃん。その様子だと仕事終わったみたいだな。どうだ?」


 冒険者ギルドにつくなりおじさんに話しかけられる。よく気づくなぁ。


「いやー……、くたくたですよ。あ、これアチーヴメントです」

「ほい、確かに。じゃあこれが報酬の2アルグだ」


 おじさんが素早く確認して報酬を渡してくれる。

 日本にいた時はアルバイトとかしてなかったから何気に初めて自分で稼いだお金だ。


「それで聞きたいんですけど、魔法が使えるとなにか良い仕事できたりしますかね?」

「うーん、そうだな。どのぐらい使えるのかにもよるけどヴァイズカードになってれば1日10アルグぐらい稼げるぞ。どうしたあんちゃん魔法使えたのか」

「いえ、昨日使える様になって……も、ないかな……魔力を認識できるようになったぐらいです」

「あちゃー、それじゃ魔法使えるっていわねぇな」


 おじさんは天を仰いで残念そうに言う。


「そうですか……。ちなみにさっき言ってたヴァイ……? って何ですか?」

「ん?ヴァイズカードの事か、これは魔法が1度にいくつ重ねられるか、っていうランクだな。詳しくは……えーっと……あったこれだ。これを見てくれ」


 おじさんが手元の書類から出してくれた紙を見てみると。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


[魔法の基本]


・魔力とは

 魔力には大きく分けて2種類ある。

 1つは外部魔力、つまりはこの世界に満ちている魔力の事である。

 これは術師の力量により干渉できる範囲が違っている。

 1つは内部魔力、己の身に宿っている魔力である。これを外部魔力と反応させることにより各属性のエレメントを作成することができる。


・エレメントとは

 エレメントとは外部魔力と内部魔力を反応させ作成する魔法の元である。

 火・水・風・土・光・闇の6属性がある。


・魔法の作成

 魔法とは先のエレメントを消費し己が描いた現象を実現する術である。

 単属性魔法から説明したいところであるが説明が難しいので先に複合属性魔法から説明する。

 

・複合属性魔法

 複合属性魔法とはその名のとおり複数の属性のエレメントを同時に使用することにより発動する魔法の事である。

 代表的なものは水属性と風属性を同時に使う氷魔法である。

 しかし、属性の相性があり、火と水、風と土、光と闇の複合魔法は3属性の複合魔法より難しく、特に光と闇の複合魔法は4属性複合魔法が出来たとしても難しいといわれている。

 この複合魔法の制御可能数により魔法使いのランクを決定する

 1属性:アインズカード

 2属性:ヴァイズカード

 3属性:ドラーズカード

 4属性:フィーズカード

 5属性:フュンズカード

 6属性:ゼクスズカード

 7属性:ズィーベルズカード


・単属性魔法

 単純なようで非常に難しいのが単属性魔法である。

 基本的には1つの属性のエレメントを消費するだけだが、2つ以上の同じ属性のエレメントを使用するためには先に説明した魔法使いのランクが必要になってくる。

 例を挙げるならヴァイズカードの魔法使いならば火の2乗の単属性魔法が使用可能になる。

 制御が難しい分威力は複合属性魔法よりも高い。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「なるほど、大体わかりました。1つ疑問なんですけど6属性しかないのになぜ7つのズィーベルズカードがあるんですか?」


 聞くとおじさんはため息をつきながらも説明してくれた。


「ああ、それは伝説の属性『無』にあやかって名前だけ作られてるんだわ」

「無属性……」

「なんでも何も起こってないのに相手を吹き飛ばしたり消し飛ばしたりできるらしい、1乗の単属性の無魔法で3乗の属性魔法と同じレベルなんだとか」

「そりゃまたすごいですね……」

「そりゃ使えるやつが居たらチートだな、誰も勝てねーだろーな」

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