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勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン二つ目 バカ後輩編(84057文字[空白・改行含む]
78/111

Q,今することって何だ?A,勝負

朝一番に職員会議、それからエクスマへの見舞い、

一度目の帰宅時に自殺を仕掛けるシャルロットを目撃。

そして、事務室でラヴから土下座&説教。

最後に、シャルロットとの対話。

たった一日で多くのイベントを消化した翌日の朝、

ユーシャは扉の前で立ち止まると、

覚悟を決めてドアノブを回した。


「今日も臨時休校で生徒はお休みっていうのに、

僕には仕事をしなくちゃいけないんだよ。

ねえ? 今の僕の苦労が分かる?」

ラブは突然のユーシャの来訪に対応し

柔和な態度でお茶を出した、が。

(早く帰れってか?)

当然な反応だとユーシャは理解しているが、

そんなくらいのことは予想していたし、

ここで引き下がるつもりもなかった。

「頼みがある」

「申し訳ない。無理です」

間髪入れずに断られてしまった。

「まぁ、そう言うとは思ってた。

だからよ、ここは一つ勝負と行こうぜ?」

「勝負?」

ラヴはけだるそうに眉間にしわを寄せた。

「今ここでてめえに言うことを聞かせるのは簡単だが、

それだと後腐れが残るだろ?

勝負方法は前と同じだ。ただし、面倒なところを邪魔しにきたんだ。

ハンデってわけじゃねえが少しハードルを上げて

今回は古文だけじゃなく全教科が対象だ。

しかも、俺が負けた時のペナルティは前回より補習期間を十倍にも二十倍にもすりゃあいい」

「ふむ」

前と同じという事は勉強に関わる一問一答ということだ。

その程度のことならそれほど手間はかからないし、

生徒(ユーシャ)の勉強にもつながることになるから

教育者としても悪くはない方法ではあった。

「けれど、やる意味が分からない。

願いがあるなら自分で叶えればいいじゃないか」

「それをお前に言う理由はねえはずだが?

何にしても損はねえはずだ。

お前の目の届かない場所で俺に何かをされるよりは

ある程度、後始末が楽になるだろ?」

「なるほど。それは納得だ。

けれど、まだ受けるわけにはいかない」

「ああ?」

勝負を受けようとしないことに青筋を食い下がるユーシャに

ラヴは最後の条件を出した。

「君が勝った時の要求を聞いていない。

それが何かを知らないまま、勝負をするのは怖いじゃないか」

「ああ。そういえば言ってなかったな?

俺が勝ったら■■■■■■■■■■■■■■」

「……………………はい?」

ユーシャの願いとやらを聞いてラヴは目が点になる。

そして、そこからすぐ青汁の原液からさらに五百倍くらいにした苦味を

感じたような顔をした。

「えっ、やだ、それ面倒くさい」

「出来るよな?」

「出来るよ。いや、というより何がしたいかは分かってるよ?

けど、そんなの僕に頼まないでくれる?」

「つべこべ言わずにやるぞ! いつ始めるかはお前が決めろ。

ただし、今日の午後零時までだからな」

「うぅむ」

そうして、ラヴはウー社に押し切られる形で

勝負を受けることになり、勝負に使う参考書を渡して二時間後に

勝負を開始した。その結果…………

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