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勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン二つ目 バカ後輩編(84057文字[空白・改行含む]
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『ごめん』って何だ?

何をすることがシャルロットを助けることになるのか。

自分がシャルロットのためにできることは何かを考えながら

歩き続けてユーシャは自室に到着した。

ドアを開けるときに気を付けたのだが、

意外なことにいつも寝泊まりをしていた部屋は

いつも通り、何も変わりがなかった。

(てっきりまだふさぎこんでたと思ってたんだがな)

靴を脱ぎ、中へ進んでいくと

そこには自殺するために敷いていたブルーシートが取り払われ、

これまたいつもと変わらない景色のなかで

シャルロットは自分の机に着いて参考書に

筆を走らせていた。

「もういいのか?」

「ええ。心配かけたわね。もう大丈夫よ」

シャルロットは何でもないようにそう答えたが、

ユーシャは涙を拭いて赤くなった目の周りを見て

そんなものではなかっただろうと察した。

しかし、それを指摘するわけにはいかない。

シャルロットはそんな事を自分に望んでいる訳ではないのだ。

だから、無愛想に

「まぁ、お前が大丈夫ってんならそれでいいんだけどよ」

と、無難な言葉を選んだ。

それからシャルロットは勉強をし、

ユーシャはインスタント食品を作って晩御飯を食べたり、

そのあと床に寝転がってスマートフォンをいじっていると

「悪かったわね」

と、シャルロットは呟いた。

「あ?」

急に言われたそれが一体誰になんの事を言っているのかが分からず、

ユーシャは指を止めて聞いた。

「急にどうした。頭打って壊れたか?」

「そうじゃないわよ。ただ、心配をかけさせてたかもしれないから

一応、謝っておこうかなって」

「ハハ。心配とか。受けるわww」

誰が誰を心配したというのだろうか。

ユーシャは甚だおかしくて少し笑ってしまった。

「だいたい何に謝ってるのか全然分からねえ」

「何って。ほら、さっき怒ってくれたでしょ?」

「怒ってくれたって。キレたことに感謝するとか

どんだけマゾなんだよ」

「あはは、ごめん」

(『ごめん』?)

また謝った。

シャルロットは一体、何を謝っているのだろうか。

いや、それよりも謝ることに何の意味があるのだろうか。

シャルロットはユーシャと憎まれ口を叩きつつも普通に話していただけだ。

確かに事あるごとにごめんと言う内気な人間もいるだろう。

だが、いつも強気なシャルロットがこれだけ頻繁に

謝罪を口にすることは異常だった。

「お前。本当に『大丈夫』か?」

ユーシャは改めて『大丈夫』の部分を強調して聞いた。すると、やはり

「大丈夫よ。気にしないで」

とシャルロットは答えた。

くたびれた笑顔で自分が『そう』であることを主張する姿を見て

そしてユーシャは理解した。

シャルロットの言う大丈夫とは

『たとえこの先、何をされようとも耐えられるから』という意味なのだ。

シャルロットは成長した。

ラヴが言った通り、彼女は学び習得した。

誰の手も借りずシャルロットなりに考えた結果、

他人からの理不尽な誹謗・中傷に対して受け入れるということで

いじめへの付き合い方を習得したのだ。

それはとても喜ばしいことであるはずだ。

「違う! そんなわけあるかよ!」

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