表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン二つ目 バカ後輩編(84057文字[空白・改行含む]
60/111

会議って何だ?

長机に列席する教師陣。

生徒達に負けないほどバラエティ豊かな種族が集まっていて、

獣人、半裸のアマゾネス、サキュバス等々が

一同に介している。

ただ二つだけ共通している点は全員が美人であることと、

近寄りがたいほど重苦しい空気を纏っているところである。

普段はほんわかしている担任のソフィアでさえ、

この場ではキリリと口元を引き締め、

手元におかれた資料に目を通している。

(えー、何ここ。俺、場違いじゃん。帰りてー。寝てー)

同じ会議室でユーシャがいる場所は

長方形に寄せられた長机の群から少し離れた後ろの壁際に

椅子が一つ置かれたところだった。(机がない理由は

あると寝てしまうだろうとラヴが考えたからである。)

「では、臨時会議を始めます」

教師陣の中心にいる学院長が

会議の仕切り役を買って、席を立つ。

「皆さん。すでに知っているとは思いますが。

現在、我が聖マリア学院は非常に不味いことになっています」

この場に合わないツルペタ胸の幼児体型が

一学年千人を越す学院の長を張っており、

見た目はともかく中身の年齢にふさわしい貫禄を以て

事態の深刻さを表現している。

「被害総額に関する議論は後日に回すとして、

本日は皆さんに被害の細かな状況を知っていただくことと

保護者の方々や報道陣にどう情報を開示するかを

話し合う席を設けるため、集まっていただきました。

ではガロット先生、よろしくお願いします」

学院長の言葉が終わると部屋の照明が消え、

天井からスクリーンが降りてくる。

「はい。では私の現場検証から分かったことを

現在までの範囲でお伝えします。では――」

(面倒だ)

【スキップ →ガロットの現場検証の結果をまとめた書類を手に入れた】

「ん」

そして、ユーシャは【スキップ】でつくった書類を

隣に立つラヴに渡した。

「え? どうして僕に?」

「お前が読んで俺に分かりやすく説明しろ。読むのも面倒だ」

「むぅ。少しは自分で行動しなさい。あと、こんなの無くても

事情を知ってるからこれは君が持っていなさい」

そう言ってラヴは書類を突き返した。

返されたところで今後読むつもりは出ないと思うが、

しかしすぐ近くに教師が何人もいる部屋で堂々男ポイ捨てをするわけにも行かず、

しぶしぶ丸めて強引に腰に差した。

「そんなに嫌なら【スキップ】で一発解決にでもすればいいよ。

数十ページ分のイベントが三行で解決できてしまえるなら

一登場人物として僕もそれで満足できるし。

ある程度、全員が幸せならハッピーエンドの体裁も立つだろう?」

「いや。それはやめておく」

ラヴの提案にはユーシャも納得できる。

何度も言ったがユーシャは女とイチャイチャしたいだけであって、

主人公としてのカッコよさを見せつけるためなのか知らないが、

いくら美少女が関わっていようとトラブルを解決するために

努力したり血反吐を吐いたりする気など毛頭ないのである。

よって、『桃太郎』で例えるなら『昔々ある所に』から始まり

『桃太郎は金銀財宝を持って帰りました』と続けて終わらせるほど

間の何もかもをすっ飛ばして幸せな未来へ一瞬で飛んでしまいたいと考えていた。

しかし、それでは問題があるのだ。

(それじゃダメなんだよな)

ユーシャの脳裏にはある女がうつっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ