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勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン二つ目 バカ後輩編(84057文字[空白・改行含む]
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好きって何だ?

「えっと、うん。ちょっと待てよ?」

ユーシャはまず状況を整理するところから始めた。

(まず、こいつを見たのが三日くらい前。

でもって関わったイベントってのがこのおかしすぎる補習だけ。

で、今日『友情・努力・勝利』っぽいこともあった。

その直後にこの『好きでした宣言』。

それどこのギャルゲー? いや、

さすがにそんなチョロすぎる展開の駄作はなかったな、うん)

一瞬、舞い上がった脳を冷まし、ユーシャは落ち着いた口調で聞く。

「あ~、悪ぃ。野暮なことかもしれないが、お前のその『好き』ってのは

LOVEか? それともLIKEか? LIKEですよねー、やっぱり」

「LOVEです。先輩の事、恋人として好きです」

「えっ」

キュンと胸に来る告白。画面越しから伝わる演技とは違った生の音。

火照った美少女の体温と甘い吐息がかすかに肌へ伝わる。

決してゲームでは感じることのできないががユーシャの心を蕩かせる。

上手くレコーディングされたCDより少し音を外すことがあるライブの方が

テンションが上がるという事例と同じなのか、

大勢のユーザーを物語へ引き込むような展開があったわけでもないのに、

この一言だけでユーシャはこの美少女に攻略されてしまいそうになる。

だが、一度恋愛がらみの面倒を経験したユーシャはあと一歩のところで

踏みとどまった。

(落ち着けよ。現実はクソゲーだ。こんな上手い話があるわけがない。

絶っ対に何か裏がある。こっちをぬか喜びにさせる何かがある)

そう思ったユーシャは逸る気持ちを抑えてエクスマの告白に応えた。

「ありがとよ。俺もお前の事が好きだ。お前は可愛いからな。

だが、他の女も好きだ。一般的な意味で『良い女』に分類される女は

全部俺の物にして俺だけが幸せになるためのハーレムを作り上げる。

それが俺の夢だ。

そんな俺だが、それでもまだ好きでいてくれるなら嬉しい」

と、何かのギャルゲーから取った口調に

自分の意思を練りこんだ言葉を送った。

シャルロットとの件で学んだことは

『下手に取り繕わず、正直に自分の気持ちを伝える』ことであった。

(そもそも最初に戦うイベントを発生させたから、

あんなことになったんだ。後々、ややこしいことになるくらいなら

早いうちにそれっぽい告白をしておけば良かったんだ)

その告白に『YES』と答えたらそこで攻略は終了だ。

『NO』と答えた場合でも問題は無い。

【スキップ】で適当なイベントを起こし、

それなりに攻略ヒロインをピンチに貶めたら

【スキップ】を使ってお手軽に解決する。

そんなマッチポンプで惚れさせればいい。

それもまた面倒なことではあるが、よく分からない所で

よく分からない問題が起きて、その解決のために頭を悩ませるよりは

ずっと楽である。

(さぁ、どうする?)

ユーシャはエクスマの返事を待った。そして、

「カッコいいですね、ユーシャ先輩」

「へ?」

ユーシャは素っ頓狂な声を出してしまった。

というのもてっきり断られると思っていたからである。

「どういうところがカッコいいんだ? 言っておくが

本当にお前らを幸せにする気はねえぞ。

俺のハーレムにいるからって女を養ってやる金なんか

びた一文も使わねえし、飽きたら捨てるぞ? 俺は」

「そこですよ。そういうところがカッコいいんです」

「ええ!? 

(言った俺が言うのもなんだが結構勝手なことを言った気がするんだがな)」

否定されることを考えて『惚れさせるイベント』の流れを考えていたのだが、

その目論見は大きく外れてしまったようだ。

「先輩は草食系男子のことをどう思っていますか?」

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