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勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン一つ目 ツンデレ編(63928文字[空白・改行含む])
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20/111

遺伝なんてなかった

とりあえず一番左のアルバムを手に取ってみたが、

どうやらそこに収められていた写真はシャルロット誕生からのようだった。それは分かる。けれど、

「溺愛しすぎだろ」

『シャルロット誕生記念』、『シャルロット睡眠記念』、『シャルロット抱きしめ記念』、etc。

何でもないことをいちいち事細かく『シャルロット○○記念』という題名で写真を撮り、

一ページに一枚の割合で収められている。

試しにパラパラと軽く目を通しながら最後のページを見ると

『シャルロット初の誕生前夜記念』という題名の写真が載っていた。

「もしかして一冊で一年分乗せてるのかっ!?」

そう思ったが、棚にあるアルバムは全部で三十六冊。

シャルロットの年齢を17と仮定すると、平均的に一冊で二、三年分が載っていることになる。

「親バカにもほどがあるだろ」

ユーシャはその量に呆れながらも、一冊ずつ見ていった。

その中で一枚の写真を見つけた。

(あ~、緩み切ったこの顔。絶対こいつが父親だわ。典型的な親バカの顔だもの)

トロフィーを抱えるシャルロット(十歳)をはさんで二人の大人が一緒に

剣術大会の看板を背景に並んでいた。

がっしりとした肩幅と立派に蓄えられたあごひげ。

ライオンの鬣みたいな金髪はシャルロットの血族であることを証明していた。

服がはち切れくらい筋肉が盛り上がっていて、そこだけ見ればかなり怖いが、

シャルロットの隣にいるその男の顔はだらしなく垂れ下がっていた。

それと反対側に立っているのは戦いとは全く縁のなさそうな女だった。

露出している肩は握りつぶしてしまいそうなほど細く、

腰回りのくびれも悩ましい魅力を放っている。

シャルロットに受け継がれたこの女の特徴は瞳だろう。

気の強さは感じられないが澄んだ赤色をしていた。

(しかし、なぜ巨乳の遺伝子を受けなかった!)

シャルロットの母らしき女の胸はソフィアほどではなかったが、十分に巨乳と言えるサイズであった。

その娘のシャルロットは……察してほしい。

(ふぅむ)

一通り最後まで目を通したところ、シャルロットについて分かったことは次の通りである。

家族構成:優しい両親の一人娘。

特技:三歳から父親から剣を教えられ、世界的な大会で優勝した経験を持つ。

趣味:剣術。他は特になし

潜在能力:この先、胸が急成長する可能性有り。(個人的にその可能性は低いと思う。)

「参ったなぁ。このキャラ設定じゃバトル展開に持ち込まねえと落とせねえじゃん。

めんどくせえなぁ、おい。裸見ただけでコロッと落ちる『純情』属性でも持ってりゃよかったのに」

最期のアルバムを棚に戻し、さらに上の段に目を向けたがそこにあるのは、

ユーシャも使っている学校の教科書しかなかった。

(ん?)

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