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勇者は神様に頼んでギャルゲーの世界に転生しました  作者: 火村静
攻略ヒロイン三つ目 波際の精霊編
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真夏のビーチ

「いきますよー。それっ」

「キャス、いったわよ」

「はいっ」

水しぶきと一緒に跳ね上がるビーチボールを

少女たちが追いかけ、次の人へとつなげていく。

滑るような真っ白の肌は日差しを反射していて、

海辺ではしゃぐ彼女たちは真夏の太陽に負けないくらいの眩しさを放っていた。

「いや、絶景だね~。

可愛い子たちが半裸で遊んでるのを見ると、

若さの輝きを感じるよ」

ビーチパラソルの下でアロハシャツをはだけたラヴは

ビーチチェアに腰かけて弾けんばかりの青い果実を眺めていた。

極彩色の花を挿した群青色のトロピカルジュースを

ストローで飲みながら滅多にできない目の保養をする、

こちらもこちらで夏を満喫していた。

「だというのに君は何をやってるの?」

そして、同じパラソルの下で切なそうな顔をしたユーシャに聞いた。

この光景こそユーシャが望んでいたもの。

プライベートビーチに美少女が勢ぞろいし、

その中で男は自分一人。

現実では一部の富裕者以外には実現できない最高のシチュエーションだ

むしろ、自分より喜んでいそうな状況なのに、

なぜあの輪の中に突入しようとしないのか

「お前さ、こんな光景を前にして立てるか?」

「はい? 何のことだい」

「だってよぉっ」

ユーシャはボールを上げようと両腕を上げる少女たちの胸部をびしっと指さした。

「目の前であんなモンがぶるんぶるん動いてたら、

俺の●●●(ビッグマグナム)だって起動させられるわっ!」

「ああ。なるほど」

普段から良い物を食べて程よい運動をする彼女たちは

非常に健康的な生活を送っていて、十分な発育もしていた。

それは女性ならではの体のメリハリがついていることでもあって。

そして『女性』にユーシャの『男性』が反応してしまっているのであった。

さすがのユーシャでも恥部を露出しながらの登場には

気が引ける部分があったらしく、ここで膝を抱えて眺めているのだろう。

「じゃあ、貧乳の子のトコに行けば?」

「それはそれでまな板をなめたくなって反応する」

「…………( ’_’)」

「ふざけんなよ、三次元。全然ゲームみたいにならねえじゃねえか。

頼むから教えてくれよ、ギャルゲの主人公!

どうやったらこのパンツ一丁の姿でも『もっこり~』(●●)しないようにできるんだ!

これでアレがこうならないって、お前らホントについてんのか!?」

「……今ここで去勢する?」

「絶っっっ対嫌だ!」

よほど悔しいのか血涙を流して砂浜を殴りつけていた。

目の前で高級のステーキをぶら下げながら指をくわえてお預けをくらっているような

シチュエーションなのだから無理も無いとは思うが。

(しかしこの人、普段からヤりたい的なセリフを言ってるけど、

実はヘタレなんじゃないか?)

口に出せば千回は惨殺されることをジュースで腹の中に流し込み、

悔しがるユーシャを哀れんだ。

「神野く~ん」

「あ? ブフォっ!?」

ボールで遊ぶ少女たちが揺らす胸に『たゆんたゆん』という擬音語を付けるなら

『ばるんばるん』と上下に揺れる巨乳、もといソフィアがやってきた。

「あれは稀にみるデカさだ。胸の大きな娘をいっぱい見たけど、

あの張りを持ったカップはなかなかいない」

「(おい。真剣にヤバくなってきたぞ。

張りすぎて痛い)」

「どうかしたの? おなかでも痛いの?」

「いやぁ、腹っつーか、腰のあたりっつーか」

「えっ。大丈夫? ちょっと見せてみて」

「えっ!? いやムリムリムリムリ。全然大したことじゃないですから」

(どうしてそこで見せないのか。

ラッキースケベのチャンスだろうに。まぁ、止めるけど)

「いいから見せて。腰は大事なところよ?」

「いや。だから」

ユーシャは何度も大丈夫だと言うが、

ソフィアは躍起になって丸まった体を開かせようとした。

妙齢の女性から股をこじ開けられそうになるというのも

かなりマニアックだがユーシャの感性にどきりと来るものがあり、

限界と思っていた痛みがさらに増した。

すべすべの手で下腹部を触れられる感触をもっと長く感じてもいたいが、

このままでは突破されそうになる。

ユーシャからのアイコンタクトを受け取ると、

ラヴは助け船を出した。

「先ほど私が診ましたが、ただの軽い日射病です。

少し休めば治まるので彼の言う通り、何も問題はありませんよ」

「日射病。そうだったのですか。」

「ええ、すこしはしゃぎ過ぎたようですね」

ラヴの言葉に納得したソフィアはユーシャの太ももから手を放した。

それに少し惜しい気もするが、露出させられる危険が去って

ユーシャはほっと息をついた。

「でしたら氷嚢をもらって来ましょうか?

そこに海の家もありますし、ちょっと行ってもらって来ますよ」

手を合わせたソフィアはまたその豊満すぎる胸を揺らして

売店へかけていった。

「危なかった。にしても男へのガードが薄すぎねえか?

俺はその方が手ぇ出しやすくて嬉しいが、

他の男に手を出されるかもしれねえとなると、ちょっと気分悪いな」

「ま~。彼女は精霊だからね。

男を知らないのは仕方ないだろう」

「それ関係あんのか?」

自分が人間だろうと犬だろうと微生物やウイルスでもない限り、

生き物なら雌雄はある。

異性を知っているかどうかに種族の差なんて

あるはずがないとユーシャは考えていた。

「ふむ。いい機会だ。やること。もないし

『精霊』について君に教えておこうか」

「OK。つまらない話の一つでも聞けば、

俺の息子も萎えるだろうしな」

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