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飴玉王子
昔から男子によく間違えられる。
確かに女の子にしては背が高いからかな。
あとスポーツは得意な方だし声も低いし髪は短いし力もそこそこあるし。
でも別にいい。
だってさ、可愛い女の子たちがあたしのこと好きって言ってくれるんだよ!?
もうこの上ないくらい幸せだよね。飴あげると喜んでくれるしさ。
喜んでるとこもバッチリ撮影して永久保存。え、 変態? これのどこがだよ。
まぁ飴玉王子なんてあだ名がついちゃったわけだけど。
ああ可愛い癒しの天使ちゃんたち! 目の保養だよバンザイ!
素晴らしきこの世界を崇め讃えますアーメン。
「何やってんだよこの山猿」
「……君って、変な生き物だね」
「あっ、あの先輩! そのですね……えっと」
「人を呪うのって楽しいよね。ね、そう思わない?」
「そこどいて!? 癒しの源である天使ちゃんたちが見えないし男だけとか誰得だよ!?
いい加減生物学的に動けない状態にするよあっち行け!!」
あたしには王子なんていらない。天使だけで充分だ。
(絵本の中の王子さまと現実の王子さまは違うようですね)
(そりゃそうだろ天使が一番だろ!)