~1話の⑥~
「あんた、大事なこと忘れてない?」
「大事なこと?」
「そう大事なこと」
「大事な…こと…」
大事なことって何だろう?仕事をした。生徒会長っぽくふるまった。それ以外に大事なことって…なに?
「あ~もう!!わかんないの!?」
生徒会長はなぜか怒っている。
「私の夢の話よ!!」
「あっ!そうか!」
「そう!私が伝説の木にお願いしたかったことは、アイドルになること!そう!それを叶えようとしたらこうなったんだから!!変わりに叶えてもらうわよ!!」
「え、あ、うっ、うん…って!えええ!」
僕が生徒会長の夢を叶える!?つまり僕がアイドルになるってこと!?生徒会長のかわりに?ええっ!!
僕は一瞬気を失うところだった。自分がアイドルになったことを想像すると…とても気持ち悪いからだ。
「というわけで!!明日からレッスンよ!!それだけ伝えたかったから!!じゃ!」
といって生徒会長が猛スピードで帰っていった。
~家にて~
(アイドルかあ…これから生徒会長のためにアイドルにならなきゃいけないのか…)
そう思うだけでなんか寒気がした。僕はもう気分はどん底に落ちていた。中身が男なのにアイドル。女の子としているふりでも疲れるのにさらに女の子女の子したアイドルをやらなくちゃいけないなんて…。とっても気が重い。
(これから大変になるな…)
そう思いつつ今日は寝ることにした。
~次の日~
「おはようございます。生徒会長」
実流が挨拶してきた。
「あ、おはよう。実流ちゃん」
「はい、生徒会長。では」
実流は挨拶したらすたすたと帰っていった。どうせなら一緒に行けばいいのに…。と僕は思ったが引き止めなかった。
「あー…今日からアイドル特訓かあ…」
そう昨日、生徒会長と話したアイドルの特訓よ!!とかのやつは今日から開始するらしい。どんな特訓をするのか…。
キーンコーンカーンコーン
そんなことを考えていたら、チャイムが鳴ってしまった。
「いそがないと!!」
そういって僕は走っていった。
「おぉ!まだ先生きてない!よかった!セーフだ!」
僕がそういってるとなぜか周りがざわざわしていた。よく聞いてみると、生徒会長が遅れるなんて…など、普段は15分ぐらい前に来るのに…など話していた。
(あれ?生徒会長ってそんなしっかりしてた??)
と僕は思っていると…。
「生徒会長」
という僕を呼ぶ声が聞こえた。実流ちゃんだ。
「あ、実流ちゃん!どうしたの?」
僕が聞くと実流ちゃんが怒っているような顔をしていた。
「生徒会長!!」