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マタギの孫をなめんなよ!【書籍化】  作者: ハーーナ殿下
【大森林 大砦】の章

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71/204

47羽:二人の上官

 

 大森林の精鋭が集う“大砦おおとりで”。

 その最高司令官《白猫姫》は、剣姫《獅子姫》の実姉であった。


 《白猫》様は絶世の美女である。

 

 そして“残念な美女”だ。


 妹である《獅子姫》が若々しい健康美なの対して、《白猫》様は妖艶で大人のお姉さんタイプな美女である。

 歳はオレより少しだけ上なはず。

 だが年齢以上に大人っぽく艶やかで、身体のラインも女性らしい。


 そんな《白猫》様は大の日光嫌いだ。ゆえに顔と手の部分以外は薄手の服に包まれていて、肌の露出は極端に少ない。

 大森林は熱帯雨林に近い気候で薄手派が多い。そんな中では珍しい格好だ。


 でも、そんな薄手の服の上からでも、《白猫》様のスタイルの良さはよく分かる。

 大きく膨らんだ胸元に細くくびれた腰。更にはギュッと上がったヒップラインが……。


「ん? どうした《魔獣喰い》」


「いえ、何でもありません!」


 気配を消しじろじろと見ていた視線を気が付かれてしまった。面倒くさがり屋さんで残念美女の彼女だが勘は妙に鋭い。


「んじゃ、後の細かいところは《黒豹の爪》の隊と連携してよろしく」


 しまった。

 いろいろ説明をしていたが《白猫》様を見ていたら、あっという間に説明が終わっていた。


「では、失礼します」


 だがオレは分かったふりをして執務室を後にする。聞き直すと怒られそうだし。



「おっ、《魔獣喰い》。ちょうどいいところにいたな!」


 執務室を出た通路に、先ほど名があがっていた戦士《黒豹の爪》が大剣をもっていた。

 よし……作戦の詳細を聞いてみよう。


「んっ、なんだ? 《白猫》様の話が理解できなかったのか、お前は」


「す、すみません。聞き逃しちゃって……」


「はっはっは!相変わらず抜けているな!」


 《黒豹の爪》は豪快な笑い声をあげて、今回の任務を細かくオレに教えてくれる。その豊満な胸をオレ近づけながら。


 ちなみにこの《黒豹の爪》は女戦士である。

 鉄塊のような大剣を軽々と片手で背負っているので、遠目だと男の戦士だとよく勘違いされる。

 

 だが、その開放的な胸元からは褐色に日焼けした豊満な胸が輝いていた。

 やや短めの髪の毛だが目鼻立ちも整っており、十分に美しい部類に入る顔立ちだ。

 

 大剣使いということもあり、男の戦士顔負けの筋肉隆々な身体つきで口調の男っぽい。

 でも胸腰は丸みを帯びおり、性別は間違いなく女性であった。



「……という訳だ。分かったか?」


「まあ、だいたいは……」


 大まか作戦としては

『大砦の奥にある“魔の森”に大規模な“魔素”が発見された。オレと《黒豹の爪》の合同部隊で浄化に向かえ』

 ……こんな感じだよね、《黒豹の爪》ちゃん?


「本当に相変わらずだな、お前は。でも期待しているからな、はっはっは!」


 なぜか急に彼女のテンションが上がっている。

 どうやらオレが何気なく言った『《黒豹の爪》ちゃん』の呼び方を気に入ったみたいだ。

 

 白い歯を見せながら正面からオレに抱き着き、暑苦しくバンバンとオレの全身をハグしてくる。

 これは彼女の出身の地方の独特の感情表現らしい。


 長身のために豊満な彼女の胸の二つの柔らかい双山が、オレの顔に当たり挟まれる。

 素晴らしい感触と夢の心地である。

 

 だが大型の獣の首すら素手でへし折る彼女の怪力で、オレの背骨も折れる寸前だ。


「わ、分かりましたから……離していただければ助かります……《黒豹の爪》ちゃん……」


「おう、すまん、すまん。ついつい興奮してしまった!では、準備して出発するぞ《魔獣喰い》よ!」


 豪快な笑い声と共に彼女は去ってゆく。

 窒息死か背骨粉砕死の二択死因を選ぶ一歩手前で、オレはその強烈なハグから開放された。危ない、危ない。


「ふう……危なかった……」


 《黒豹の爪》ちゃんは悪い人ではない。

 更には《白猫》様も綺麗で色っぽい。

 そう考えるとこの“大砦おおとりで”での任務は楽しい毎日であった。


 《獅子姫》ちゃん、そして修行のために大村に残った神官ちゃん、この二人と離れ離れになったのは本音を言えば寂しい。

 でも、彼女たちも自分自身を鍛えるために、この少しの別れを選らんだのだ。弱音をはいている場合ではない。


「よし、オレも頑張りますか!」


 そう自分自身にも言い聞かせ、気合いを入れ直す。


 

 こうしてオレは“魔素”を浄化する作戦に、仲間と共に向かうのであった。




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