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16/21

番外編~反省会~

すみません、大変お待たせしました。

感想や指摘をしてくださった方ありがとうございました。

今回は旭丘ソフトテニス部の反省会になります。

それほど長くありませんので流し読みする感じで読んでいただければと思います。

神井視点中心です。

「全員揃ったみたいやし、ほんなら始めるで。」


内藤がみんな円になった座布団に座ったのを確認して合図を出す。


俺は横に座っている人を確認する。

左には内藤、田口、と女子部長、副部長と並び、2年、1年という順番に座っている。


男子は同じ法則で右に並ぶ、とはいっても今は4人しかいないのだが・・・。


「ほんならまずは1年から。この合宿で気になったこと、反省、頑張ったことについて話してや。」


はい、と言って男子の右に座っている後輩から話し始める。



俺はため息をつきながら退屈な反省会を聞き始める。


この反省会では気をつけなければいけないことが2点ある。


それは


1、寝ないこと

2、真剣に聞くこと


1は反省会でみんなが話しているときに寝ないのは当たり前のことである。だが午前中で割りと気温が落ち着いているときにじっとしながらずっと話を聞いているのは正直つらい。


寝てはいけないことについては皆に言っていることだが割と緩いと感じる。

後輩は初めての合宿な上にじっと話を聞き続けるのは苦痛であり、慣れていないのでウトウトして寝ないように頑張っている後輩には黙認するようにした。


抵抗も一切見られない場合は注意をすることにしているが。


俺の右隣にいる俊樹は寝るのに抵抗していないでぐっすり寝ているため内藤にボールペンを投げられた経験があるのだが。


そのため1については俺らもある程度は許される。


許されないのは2である。


内藤や田口は基本的にはふざけていることが多いのだが、こういう真面目な場では度が過ぎるほど真面目になる。



去年の夏合宿はひどかった。


---------------------


後輩がいなかったこともあるとは思うが、反省会のときに俊樹が寝ていて隣ぐらいにしか聞こえない寝言を言ったのだ。


「つお?ちゅお?あぁ、それはフライパンやろ」



その瞬間俺は爆死した。

そもそも何を言っているのかが理解が出来なかったのだが、真面目な場で場違いな発言をされた俺は変にツボにはまってしまい、噴き出してしまったのだ。


その瞬間に俺の左隣にいた内藤、さらに隣にいた田口がガタッと立ち上がり


「「なんでいきなり笑てん?」」


見上げた瞬間そこには般若が2人いた。


「だ・・・だってな!!」


俺は右を指しながら言った。


指を指された俊樹は


「は?なんや?」


と何こいつ言ってんの?みたいな顔をして見てきた。


「おまっ、寝とったやんか!?」


「は?寝とらんし、人のせいにすんなや。」


とか言いつつ二人から漏れ出ている殺気を感じているのか練習しているときみたいな汗をかいている。


「卑怯やぞ!?俺だけ悪者にする「「覚悟は出来てるやんな?」」」


般若2名に俺の発言途中に割り込んできた。


般若(ないとう)が言った。


「真面目な場で笑うなんてな・・・」


俺は逃げ出そうと試みるが、腰が抜けてしまって立てない。

赤ちゃんがはいはい歩きするみたいに逃げようと出口に向かう。


「挙句に逃げるんか?」


般若(たぐち)がそう言い、回り込んで来て俺の頭を掴む。

ギリギリと頭を掴んでいる音が聞こえた気がする。


「ふざけるなんて言語道断じゃ!!!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


それからは俺の記憶が無い。

やばい、寝てしまったと目を覚ました時には反省会が終了していた。

しかし、体中が痛くて30分ぐらい動けなかった。


俊樹以外の男がみんな慰めてくれた。


俊樹は本気で謝ってきたのでただ事ではなかったんだろうってことがわかる。


---------------------


そう俺は完璧に記憶が飛んでしまっていたのだ。

般若二人にボッコボコにされたのだ。

意識も遮断したくもなるだろう。



しかし、俺はあの時誓ったのだ。






絶対に俊樹に仕返しをしてやろうと。


あの時俊樹は謝ってきたが、俺は納得がいかなかった。


なので俺は復讐を誓ったのだ。



機会がなかなか無かったのだがよく考えたらこの夏合宿が絶好の機会だったのだ。



そうだから俺は勝手に企画をした。


スッと右に小さいメモをばれないように眠そうにしていた俊樹に渡す。


なんだ?という様にメモを受け取り中を開く。


開いた瞬間に俊樹の目を見開いた。


お前本気かという様に俺を見た。


―――――あぁ、戦争だ!


俺の確固たる意思を俊樹にぶつけた。


―――――男に回せ。


俺の目だけで察した様で俊樹の隣の井下、さらに横の荒川に渡した。


みんなの目線が飛び交う。


―――――やばいだろ!?―――――去年の二の舞になるぞ!?―――――死にたいのか!?―――――ふざけんな!?


色々な声が聞こえる。いや声は聞こえないのだが。


―――――うるせぇ!!!俺は去年味わっているんだ!!!俺だけなんて理不尽だ!!!お前らも恐怖を味わえ!!!


みんなが恐怖を感じているのか、顔が青ざめている。


荒川も普段は無表情だがこのときばかりは顔が引きつっているように見える。


もう勝負は始まっているのだ。


笑ってはいけない反省会が!!



もう後輩が話し初めてから結構経つ。

大体半分ぐらいまでいき、視線は俺らとは反対側に集中している。



俺はチャンスだと感じ、先制攻撃をしかける。


咳き込む振りをしながら口元を隠す。


俺はさっきから左手に持っていた朝食の残りであるちぎった味付け海苔を鼻の下につける。


男が全員を俺を見ている。


参加はしたくない。



が何をしているのか気になってしまうだろう!


見ずにはいられないだろう!!


見るがいい!!シンプルゆえの面白さ!!


全員が何をしているのかチラッと見るが一瞬気づいていないようだ。


不振に思って今度はじっくり見てくる。


皆ほぼ同時に気づいたようで3人が一斉に下を向く。



笑うのをこらえているのだろう。


井下も真面目なやつではあるが、面白いことに関しては割りと寛大だったりする、ここら辺は男なのだろう。


みんなが我慢したところで俺と座っている位置が一番遠い荒川が先ほど渡したメモに何かを書いている。


井下にそっと渡す。



井下は勘弁してくれと言わんばかりの顔つきでメモを見る。



「ぐっ!!ゴホッゴホッ!!すまん。」


一応咳き込んでいるように見せたので周りは不審げに見ているが何とかばれずに済んだ。

井下もメモに追記をしている。



続いて俊樹に渡す。

井下は自分で書いてツボにはまってしまっているようでプルプルしている。


「・・・ブホッ!!!」


俊樹が思わず噴出す。

般若2名がこちらをキッ見る。



「どうかしたんか俊樹?」


静かに言ってきた、笑顔がすげぇ恐い。


「ぃや、なんでもない。すまん続けてくれ。」


俊樹は殺気を感じ取り、噴出しても何事も無かったかのように振舞う。



俊樹も何か追記しているようで笑うのを堪えながら書いている。


もう既に荒川の隣にいる後輩たちはほぼ気づいているようでハラハラした顔つきで心配していた。



俺にそっと渡そうとする





俺は敢えて受け取らない。


俊樹は目で話しかけてくる。



―――――お前取れや!!!!



変顔で返してやる。



「ブハッ!!!!」


俊樹はその瞬間完璧に噴出してしまう。

その瞬間にメモを奪い取り、ポケットにしまう。


俺の背後から殺気を感じる。


来るのか?と思ったが何も起きず。


セーフか?



3分ぐらい経った後だろうか、後輩が反省を話し終わった。


「みんな休憩にしようか。次は5分後にスタートするわ」


みんながガヤガヤしだす。


その瞬間とんでもない殺気を背後に感じた。


「ちょいと俊樹顔貸してくれや。」


般若(ないとう)が俊樹に話しかける。


「はい、すみません。」


「何で謝ってるん?顔貸してって言っとるだけやんか。」


ズルズルと引きづられて行った。くそー神井!!覚えてろや!!とか捨て台詞が聞こえたが無視。


南無南無。


反省会が再開したが俊樹が来なかった。


話を聞くと少し体調が悪いから抜きでしてほしいとのこと。


さすがに罪悪感が沸いてきた。



とりあえず復讐が終わったので反省会を聞くことにする。



今回話題に挙がっているのはほとんどあいつのことが多い。


あいつとは急遽うちの練習に混ざってきたやつ。



三浦鷹士(ホーク)である。


確かにあいつはすげぇいいやつだった。


また会って色々な話がしたい。


また会えるというような会話はしたがいつ話せるかわからない。


あいつが男子ソフトテニス部に入ったら面白いんだろうなと思う。


まぁそんなあり得ないことを考えながらみんなの反省を聞いている。


三浦先輩にもっと教わればよかった、格好良かった、タイプだった、男子ソフトテニス部に入ったらおもしろくなりそうだとか、女子に人気をかなり持っていかれてしまった気がする。


後輩だけかと思っていたら2年も同じような意見だった。


田口もあいつおったらおもろくなりそうだわと言っていた。



反省会でこういうことが言われていたってあとでメールしてやろう。


-------------------



反省会が終わりガヤガヤしているところに内藤が


「あっ、男子は残っといて。最後まとめせなあかんから。それ以外の人は部屋でて片付けしとってな。」


他の人たちはハーイと声をまばらにして言っていた。



「わかったわ。なんの話があるん?あっ、田口も残るん?」


田口がドアでみんなを見送った後、ガチャンと鍵を閉めた。


「「「え?」」」


途端に内藤と田口から殺気から溢れ出す。

般若と化していた。


俺らはその瞬間にさっきのことだと感じ、尋常ではない汗をかいている。


「俊樹に全部聞いたわ。」


この一言だけで十分だった。


あぁ俺らはここで終わるんだな。


「「覚悟は出来とるやんな?」」


拳をバキバキ言わせながら近寄ってくる。


俺ら3人は蛇ににらまれた蛙のように動けない。




「「あれほどふざけんなって言ったやろー!!!」」



俺は意識が薄れていく中であぁ、復讐はするもんではないと心から誓ったのだった。

読了ありがとうございます。

ネタ自体はあったのですが、なかなか更新できずすみません。


次回は鷹士が大阪の家に帰ってきた次の日の話になります。

それが終わったら高校に潜入する話になります。


もしよろしければ評価していただきたいなーと思います。

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