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感情に触れて  作者: おみずまる


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1/1

毎夜泣きたくなるのは冬だからでしょうか。

涙が流れそうで流れなくて、悲しみが積もるのは冬だからでしょうか。

誰かに代わりに泣いて欲しくて、頭の中を整理したくて。

そんな思いで言葉を紡いでみました。

せっかく書き起こしたなら、恥ずかしいけれど、誰かに見てほしい気もしてきたので公開してみます。

今日はこれで、大きくなった悲しみを少し制御できた気がします。

言葉に起こすと他人事みたいですね。

私にはそれがちょうどいいのかもしれません。

どうか私の悲しみに触れて、どなたかの傷ついた心が癒える機会になりますように。

悲しい気持ちを携えて生きているのは貴方だけではないと、どこかの誰かに届きますように。

21時15分

決まって涙が出る。

止めどなく溢れる時があれば、ゆっくりしっとり落ちる時がある。涙が出そうで出ないときも多く、よくわからない悲しみだけが胸に積もっていく。

雨が降っている日はラッキーで、落ちる雫を見ながら悲しみを往なしていく。

特に理由はない。

仕事が終わって家に帰って突然襲ってくる悲しみに最初は戸惑った。今はただただ怯えている。

仕事は好きだし、ストレスが溜まっているわけでもない。ただただ何も変わらない毎日に嫌気が差しているだけなのかもしれない。

対処できるような軽い悲しみの日は暖かいご飯を作って食べる。深く重く苦しい日は悲しみを抱えながら静かに眠りにつく。朝起きれば忘れていて、何がそんなに苦しかったのかもよくわからない。

他の誰かもこんな悲しみを抱えながら生きているのだろうか。はたまた自分だけなのか。

世界に何億もいる人間の1人なのだ。仲間はいるだろう。

毎夜、同じ時間が近づくたび、またあの悲しみが来るのかと怯えて過ごす。息が上がりそうになるたび細く長く息を吐く。息が上がるとより辛いことを知っている。息を吐いて、目を閉じる。ゆっくり吸ってまた吐いて。少し経ったら目を開く。


仕事が残っている日はアンラッキーだ。

誰の声も理解できなくなる。頭が白くなって何を言われているのか何を言っているのか、よくわからない。

何も考えられないまま時がすぎて気づいたら仕事が片付いている。体に残された本能や習慣が1日を終わりに導いた。人間が生き物であることを実感している。

そういった日は必ずエネルギーが枯渇する。

帰る気力を失って立ち止まって涙を流す。

特に理由はない。エネルギーが足りていないだけだ。

動く力を取り戻したら家に帰る。

さすがに料理をする体力はなく服を脱いだらその辺に転がってその日を終える。

それでもまた次の日には仕事に行って…。


電車に乗って仕事をして、そうして生きて帰ってくるだけで私は偉いのだ。


全てのネガティブを置き去りにして眠る前に言い聞かせる。


呼吸して生活をして、私は凄い奴だ。

ご飯を食べて、服を着替えて、布団に潜って目を瞑る。

私は凄い奴だ。


理由もない悲しみを携えながら、どうにか流して生活をする。

私は凄い奴だ。


エネルギーを失ってもなお仕事ができる。

私はなんて凄い奴なんだ。


頭が白くなって言葉が出なくなっても、どうにか家に辿り着いている。

私はどうしてこんなに凄い奴なんだ。


涙が出ないほど悲しい時も、感情に覚えがあって制御しようとしている。

私はどうしたって天才なのだ。


目を閉じて頭の中に溢れる音楽も、言葉も、どうにか形にしようとしてみている。

なんて天才なんだ!


さぁ、目を閉じて、今日を終えよう。

夢に沈んで、明日を迎えよう。

どんな明日を迎えるかは自分次第。

今日も明日も明後日も、毎夜訪れる悲しみをどうにか宥めて、できる限り幸せでいよう。

苦しみは長く続くけれど、私は天才なのだ。私は凄い奴なのだ。

大丈夫、大丈夫、大丈夫。






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