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魔王と勇者の禁断の恋 ~異世界の悲恋譚~  作者: nekorovin2501


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第一幕の第1話:魔の力と女神の加護

異世界エテルニア大陸の人間界、王都アルティアの王宮。朝の陽光が白い大理石の回廊を照らし、鳥のさえずりが庭園から聞こえてくる。エリシアは自室のベッドに横たわり、窓から入る光をぼんやりと眺めていた。黄金の髪が乱れ、青い瞳に疲労の色が浮かぶ。霧の森での密会から数日が経ち、体に異変が起きていた。下腹部に温かな疼き、時折の吐き気。そして、肌に薄い黒い紋様が浮かび上がる。「これは……ヴォルドランの魔力の影響? 女神の加護が反応してるわ。」 内面の不安が、彼女を苛む。勇者として、王宮で暮らす彼女は、常に周囲の目にさらされている。妊娠の兆候など、絶対にバレてはいけない。だが、心の奥底では、喜びも芽生えていた。「この子は、私たちの愛の証……でも、世界を壊すかも知れない。」

王宮の謁見の間では、王が重臣たちと会議をしていた。エリシアの仲間、魔法使いのリリアと戦士のガルドも同席している。王の声が厳しく響く。「魔界の動きが活発だ。国境で魔族の斥候が複数確認された。勇者エリシアに、討伐隊の指揮を命ずる。」 リリアは心配げに頷き、ガルドは拳を握った。「エリシアさん、最近元気がないみたいだぜ。仮面舞踏会の後から……スパイの件も気になるし。」 サブプロットとして、王宮の衛兵たちが密かに調査を進めていた。仮面舞踏会での怪しい影――それはヴォルドランだったが、まだ正体は掴めていない。ガルドは独り、剣を磨きながら思う。「あの男、エリシアに近づいた気がする。絶対に守らなきゃ。」

エリシアは王の命令を受け、討伐隊を率いて国境へ向かった。馬車の中で、体調の悪さを隠し、ステータスを確認する。【勇者エリシア Lv.45 HP: 3200/3200 MP: 1800/1800 スキル: 光の剣撃、神聖バリア】 だが、新たなスキルが追加されていた。【影の加護(仮)】――ヴォルドランの魔力が混じり、女神の力と融合したものだ。影を少し操れるようになり、戦闘で有利になるが、魔力の副作用で体が熱くなる。「これ、便利だけど……危険ね。バレたら、魔族のスパイだって疑われる。」 国境の森に到着した討伐隊は、魔族の斥候と遭遇した。小型の魔獣を引き連れたゴブリン型の魔族たち。エリシアは剣を抜き、指揮を執る。「みんな、陣形を! 光の剣撃で一掃よ!」

戦闘が始まった。魔族の矢が飛んできて、エリシアは神聖バリアを展開。青い光の壁が仲間を守る。ガルドが前衛で斧を振り、魔獣を薙ぎ払う。「おらぁ! 来いよ!」 リリアは後方から魔法を放ち、火球が敵を焼き払う。エリシアは剣を光らせ、突進した。一閃で魔族を倒すが、体内で魔力が暴走する。黒い紋様が肌に浮かび、影が自動的に敵を絡め取る。「これは……ヴォルドランの力!」 内面で喜びと恐怖が交錯する。戦闘は優勢に進み、斥候を全滅させた。だが、エリシアの異変にガルドが気づく。「エリシア、お前の肌……黒い模様が? 大丈夫か?」 エリシアは慌てて袖を直し、笑みを浮かべた。「気のせいよ。女神の加護が強まっただけ。」 しかし、心の中で不安が膨らむ。「隠し通せないかも……」

一方、魔界の黒い玉座。ヴォルドランは臣下たちに囲まれ、報告を聞いていた。黒い翼を広げ、赤い瞳が鋭く光る。「人間界の討伐隊が、国境を越えたか。斥候を失ったのは痛いが……エリシアの安否が気になる。」 臣下の参謀が膝をつき、進言する。「陛下、最近お変わりですぞ。人間の勇者に気を取られているのでは? 魔族の反乱分子が、陛下の弱みを狙っています。」 ヴォルドランはため息をつき、影を操って地図を展開した。「我の心は、エリシアにある。だが、魔界を守る義務もある。反乱を抑えよ。」 サブプロットとして、魔族の反乱分子――ヴォルドランのライバル的な魔将が、密かに動き出していた。「あの魔王、人間女にうつつを抜かしてる。チャンスだぜ。」 彼らはスパイを人間界に送り、エリシアの秘密を探ろうとする。

夜、ヴォルドランは影の魔法で霧の森へ移動した。エリシアも、約束通り現れる。二人は洞窟で再会し、互いの体を抱きしめる。「エリシア、無事か? 国境の戦いを聞いた。」 ヴォルドランの声に心配が滲む。エリシアは頷き、肌の紋様を見せた。「あなたの魔力が、私に影響を与えてるわ。この力、便利だけど……体が熱くなって。」 ヴォルドランは手を置き、魔力を調整する。温かなエネルギーが流れ込み、エリシアの体が震える。「これは、我々の絆だ。女神の加護と融合し、新たな力を生む。」 二人はキスを交わし、愛を深める。洞窟の青い光が、情熱的なシーンを照らす。エリシアのドレスが脱がれ、肌に黒い紋様が輝く。「ヴォルドラン……この子、感じるわ。あなたの血を引く子。」 妊娠の確信を告げ、ヴォルドランは驚きと喜びに瞳を潤ませる。「我の子か……だが、危険だ。人間界で育てよ。我が力は、子に宿るだろう。」

内面描写を豊かに、二人は未来を語る。エリシアの葛藤――勇者としての使命と、母としての喜び。ヴォルドランの孤独が、エリシアの存在で癒される。「この恋、種族の壁を越えられるわ。」 エリシアの言葉に、ヴォルドランは誓う。「我もだ。だが、反乱が起きている。気を付けろ。」 別れの時、二人は影で繋がる約束をする。エリシアは王宮に戻り、体調を隠す。だが、リリアが部屋を訪ね、不安げに尋ねる。「エリシアさん、最近顔色悪いわ。妊娠……なんてことないよね?」 エリシアは慌てて否定したが、心の中で思う。「バレそう……この秘密、守れるかしら。」

魔界では、反乱分子が動きを加速。スパイが人間界に潜入し、エリシアの監視を始める。ヴォルドランは玉座で独り、子のこと考える。「あの子の名は、アレン。魔と人の橋となれ。」 第一幕の始まりは、恋の深化と、迫る危機を描く。戦争の影が、二人の絆を試す。

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