エンディングのあとに
「…うっ……うぅ…。」
母さんの服のそばで座り込み、俺は再び泣いた。たくさん泣いた。涙を襟元で拭ったけれど、涙が止まることはなく襟元がぐちゃぐちゃになった。
「ピィ…。」
先ほどまで飛び回っていたその小鳥も俺の隣に佇んで、小さく鳴いていた。
ガサ…
「…っ!?」
そうして泣き座り込んでいると、今度は庭の芝生を踏む音がした。
びっくりして、またゴブリンかと慌てて振り返る。
「…………遅かったか。」
そこには大きな剣を背中に背負った1人の男がいた。
どこにでもいそうな20代後半ほどのその男は、現代には不釣り合いな服装をしていた。胸当てをし、黒くて重厚な鎧を纏い、長いマントを身につけている。…まるで、ファンタジーアニメのキャラクターのように。
「誰、ですか…。」
あまりにも異世界すぎる黒づくめのその風貌に唖然としていると、その男は無愛想な顔をしてこちらに近づいてきた。
俺は慌てて腕で涙を拭ると、近づいてくる黒づくめの男に話しかけた。
「な、なんですか。」
「さとうかいり。」
「どうして俺名前を…。」
「お前を探していた。」
「なんで…。」
あまりにも突然で状況が理解できない。そもそもこの人は誰なんだろう。ぶっきらぼうに俺の名前を呼んでいたけれど、どうして名前を…?なぜ俺を探していたんだ?
訳がわからず、その人を見ることしかできなかった。黒い鎧の男は周りを見渡して、割れた窓からリビング覗いた。
「ゴブリンは倒したのか?」
「なんでそのことを!?」
あまりにも的を射た質問に思わず驚く。名前を知っていたり、この人は一体何者なんだろう。
「倒したのか?」
しかし彼は戸惑っている俺なんてお構いなしにすかさず質問を続ける。
男は表情を変えることなく、座り込む俺見下ろす。彼の目もまた鋭く、格好や表情が相まって圧がすごく感じて狼狽えながら答えた。
「は、はい…。」
「そうか…。」
男は俯いて考え事をする素振りをして、しばらくするとこう言った。
「お前をウィルトスに連行する。」




