第四十二話 ついに到着!
森は深々と茂り、いよいよ地図の宝箱の場所まで近づいてきた。
愛とキューはわくわくしながら道なき道を進んでいく。
と、キューは木の根っこに躓いて転びそうになった所を、愛に体をキャッチして貰い事なきを得ている。
キューはおっちょこちょいだ。
マメイは静かながらも宝箱に期待を寄せているようだった。
皆、期待しながら先頭のエギーについていく。
ぴたりとエギーは歩みを止めた。
「この辺りだ……!宝箱の位置は!」
前方を確認する。
森の中、広く開けた場所で一際大きな木があり、その下には何かを掘り返したような跡があった。
「あれ……掘り返されてるよ、エギー」
愛が落胆したような声で言う。
まさか、俺達よりも先にここに辿り着いた奴がいたのか?
「宝箱がないのです」
「…確かに、ここにあった形跡がある」
間違いなくここには宝箱があったんだぞとばかりに大きな深い穴がある。
ここまで来て、そりゃないぜ。
すると、森の中から老人が現れた。
「あの、すみません。ここに宝箱がありませんでしたか?」
愛が宝箱の事を老人に尋ねる。
「宝箱のう、確かにここにあったが、随分以前にこの海を支配していた海賊達が見つけて持ち去ってしまったのじゃよ」
海賊!冒険者じゃなく、海賊が持ち去ってしまったのか。
「その海賊達も別の海賊と争いになり、二つの海賊船はこの島周辺の海に沈んじまったのじゃ」
愛達は絶望した表情で立っている。
「沈んじゃったんじゃしょうがないね」
「諦めるのです」
「…そうね」
俺はエギーから地図を借りると、老人に尋ねる。
「あの、沈んじゃった場所ってどの辺ですか」
「この辺じゃ」
老人が地図の海の位置にバツ印をつける。この島から近い。もしかしたら、潜ったら宝箱が沈んでるんじゃないか?
「宝がまだ残ってる可能性があるな」
エギーも俺と同じ考えだったらしい。
地図を確認する。
どれ程深い場所に沈没したかは分からないが、潜ったら何か見つかりそうだ。
「そんなに落胆することないぞ、愛。海賊達が海に沈んだなら、宝も一緒に海に沈んでいるかもしれない」
「ほんとに?」
「宝はありますですか?」
「……期待、する」
女子三人はエギーの言葉に再び目を輝かせる。
それから俺達は森をそのまま突っ切り、俺達が過ごした砂浜から丁度反対側の海に出た。
海賊船二隻が沈んだ場所はここから直線に向かった海の上だ。
エギーが丸太を組み合わせ、いかだを作っている。
俺もそれを手伝う。
丸太をいくつも組み合わせて、ロープで縛る。
愛が木を蹴り倒し、キューとマメイが丸太を運んできてくれる。
いかだが完成する頃には、日が沈みかけていた。
こりゃ海に潜るのは明日になりそうだな。
「今日は森の中で手に入れた木の実を食べるぞ」
エギーと愛が、森の中で収集した木の実をずらりとならべる。
そういや、マメイは木の実を食べるのか?と思ったが、黙々と食べている。
「木の実だけじゃ足りないよっ!ちょっと釣ってくる!」
日が沈みかけているにも関わらず、愛が海に木の棒で作った釣り竿を持ち向かう。
夜の海は危ないぞ、愛。
少々心配だが、仮に魔物とエンカウントしても愛なら大丈夫か。
「キューもいっぱい食べるのです!」
と言ってエギーの腕に齧り付くキュー。
エギーは明日海に潜らなくちゃいけないから、体力温存しとかないと駄目だぞ。
だからあまり血を吸うなよキュー。
俺はまだ残っていたにんにくスプレーを構えると、キューはさっとエギーの後ろに隠れた。
「まあまあルテン〜、俺がいいって言ってるからなぁ〜」
エギーは相変わらず酔っ払ったような口調で言う。
怖いもの知らずだな全く!
こうして俺達は食事を終えた後、交代で見張りをしながら野宿した。
今日はマメイもいるから心強い。
俺は自分の見張りの番になるまでぐっすり眠った。




