第三十九話 マーフォークとの戦闘
翌日、俺達は地図のばってん印を目指して森の中を進んでいた。
バサバサに乗って目的地まで飛んで行けば早いんじゃないか?という案も出たが、地図を見る限り所々に宝箱がある。
空を滑空するのにいちいち宝箱を開けに地上に降りるのは少々面倒だ。
という訳で地上から行くことになった。
俺は地図を確認する。
ばってん印までには、いくつか障害があるらしい。
まずは最初に大岩のあるエリアが描かれている。
「この岩、地図に描かれている大岩じゃない?」
地図通り道を進むことものの数分で、岩の所まで辿り着いた。
大きな岩が道を塞いでいる。
登って超えるには高すぎる大岩だ。
しかし、問題ない。
バサバサに掴んで飛び超えればいいだけだ。
「飛べ、バサバサ」
俺はバサバサに乗ると、足に愛を掴ませ岩を超える。
三人一気に連れていきたいが、定員オーバーだ。
「やっほー!気持ちいいねっ!」
愛はバサバサに掴まって飛ぶのははじめてじゃないか?楽しそうだ。
「うおー。楽勝だぜ!」
「ひえええ!怖いのです!」
エギーはキューを抱えて宙を飛ぶ。
キューは一度エギーとバサバサで飛んだことがあるはずだが、何故か怖がっている。
そして次は俺だ。
俺はすっかり慣れた手つきでバサバサに乗ると、岩の向こう側へ辿り着いた。
岩を超えた先には、沼があった。
確かここには、宝箱と、半魚人の絵が地図には描かれている。
と、沼が泡立ち、ずるずると何かが出てきた。
『マーフォークと遭遇しました』
全身が鱗に覆われた人型の魔物だ!少し強そうだな。
「任せろ!」
エギーは弓ネギを構えると、マーフォークに放つ。
ところが、鱗にネギが弾き返された。
中々硬いらしい。
俺もマーフォークに剣を突き立てたが、切れない。
こいつ、硬いぞ。
マーフォークは水圧カッターを飛ばしてきた!
「うわっ!」
まともに喰らったエギーの服が数か所切れ、血が流れた。
キューが慌てて駆け寄り、エギーの切り傷をぺろぺろ舐め始める。
こんな時に何やってんだ!
「キューの唾液には治癒効果があるのです」
「おおっ、本当だ。いい調子だぞキュー」
エギーの傷は、キューに舐められたところからみるみるうちに治っていく。
ふうん、そいつはいいや。
俺も怪我した時は頼もうかな。
「力でごり押しは無理かな?」
愛が構えて、マーフォークに蹴りを放つ。
硬い鱗が軋み、マーフォークの体が吹き飛ぶ。
効果ありそうだ。やはり凄いな、愛。
「次々いくよーっ!」
愛はさらに蹴りを連発する。
最後に正拳突きを喰らったマーフォークは、霧散した。
ごり押し成功だ。
『6000バルス獲得。経験値獲得。鱗を手に入れました』
「この鱗、何かに使えるかな?」
かき集めたら、硬度の高い鎧ができそうだ。
といっても鎧の作り方なんて分からないので、どこか街に立ち寄った時に専門の店で作って貰わなければならないが。
「おい!沼の中央に宝箱があるぞ!」
エギーが沼に腰までつかり、宝箱を持ってくる。
ダメージはキューのお陰ですっかり回復したようだ。
愛と俺、キュー、エギーは皆で宝箱を取り囲む。
エギーが宝箱に手をかけ、開けてみる。
『10000バルス獲得。鱗獲得』
おお!宝箱から出てくる大量の鱗に俺は歓喜した。
これで鎧が作れるくらいあるじゃないか。
エギーは、荷物の中にそれらを入れる。
愛はまたベーグルをむしゃむしゃと食べている。
「また食べているのかアイ」
「動くとお腹空くんだよね」
「まだ昼にもなってないぜ」
「昼飯前の間食!」
昼飯が入らないんじゃないかという心配は愛なら無用だろう。
というか、キュラで買ったベーグル、まだ残ってたんだな。
そうして俺達はさらに森の中を進んでいった。




