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第三十三話 処刑場の罪人

日が落ちてきた頃、俺とエギーは処刑場の裏口についた。

またバサバサを裏口で留守番させることにする。

処刑場の中には、処刑される罪人が入れられた牢があるのが、外からでも分かった。

あの牢の中にキューはいるに違いない。


「安直だがまた見張りをルテンのカースで口を辛くして背後を狙うか?」

「そう何度も同じ手段が通用するか分からないが、それしかできないな」


俺とエギーは茂みに隠れながら互いに言葉を交す。

すると。


「そこにいるのは誰だ!」


裏口にいた見張りがこちらへやってくる。見つかった!今回は運が悪いらしい。

俺達は見張りに特攻する。

二人いれば力ずくで黙らせることができるだろう!


「ぐあっ!」


エギーがネギで見張りの腹を突く。

俺は体制を崩した見張りの背後にまわり、首を締め上げる。


「ぐ……ぐぐぐ」


落ちる見張り。

なんとかなったな。


「今回はエギーもいるから見張りに化けるのはできないかな」

「いや、見張りに化けろルテン。俺は捕まった罪人のふりをする」

「成る程」


俺は見張りの服をはぐと、それに身を包む。

エギーの両腕をロープで縛り、この格好でうろうろすればバレないか?エギーの髪色が派手だから、目立ちそうで困るな。

俺達は裏口から処刑場に侵入する。

早速二人の処刑場の役人が通りかかり、ひやひやしながら横を通る。

二人の会話が耳に入る。


「……十人殺しのバンパイアか。物騒だな」

「この処刑場にいるらしい。明日には処刑予定だった筈だが……」


キューの話だ。

明日処刑予定だと?明日迄にここからキューを探し出して逃げないと駄目だな。

俺とエギーは視線を交す。

歩きながら、一つ一つの牢をチェックする。

監獄とは違い、そこまで人は入っていない。

その時。


「お前、ここの役人じゃないな」


そんな声が飛んでくる。

早速バレた!今回はつくづく運が悪いらしい。

声をかけてきたのは、幸が不幸か牢屋の中にいる罪人からだ。

その罪人、がたいは大きく、毛むくじゃらの腕を曝け出した悪人相の眼帯をした男である。


「俺ぁ毎日ここにいる役人共を見ているが、お前みたいな奴は見たことないぜ。こんな場所に何の用だぁ?」

「お前には関係ないだろう」


エギーが言うが、ふう〜とため息をつく罪人。


「ここで叫んでやってもいいんだぜ?外部からの侵入者がいるってな」

「チッ。……バンパイアを探しているんだ。十人人を殺している」

「おお!そいつは知ってるぜ。ちいせぇのに大した奴じゃねぇか。居場所を教えてやろうか」

「いいや、俺達で探す」

「だから言ってるだろぅ?俺はいつでも侵入者がいる事をここの役人共に知らせることができるって」


俺とエギーは顔を見合わせる。

とんだ邪魔が入ったものだ。

いいや、この建物内に詳しい奴に出くわしたとプラスに捉えるべきか。


「何が目的だ?」

「そりゃあ勿論、この檻の中からの脱出よぉ。檻の鍵のある場所も俺は知ってるぜぇ」


成る程。

これは手を組むのもいいかもしれない。

素性の知れない奴だが使えるだろう。


「鍵の場所を教えるから俺にその鍵を寄越せ。そうすりゃあバンパイアの場所まで案内してやる」

「分かった。鍵の場所を教えてくれ」

「いいか、よく聞けよ。ここから真っ直ぐ行った廊下の突き当りに役人共の休憩室がある。その隣の部屋だ。鍵はぶら下げてあるやつの上から三段目の右から二番目だ。役人共は皆互いの顔ぶれをよく覚えているから、顔はよく見られねぇ方がいい」

「分かった。取ってくるよ」


キューに会う前に余計なミッションに遭遇してしまったが、仕方ない。

俺とエギーはその男の牢の鍵を持ってくることにした。

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