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第三十ニ話 監獄からの脱出

「処刑?魔物だからか」

「ああ。何とか助けたいんだが……俺達もこの通りだからな」

「バンパイア襲撃もあるし……大変だよ!」


兎にも角にも、エギー達をここから脱出させなければならない。

俺はこの場を任されているであろうさっきの看守を探すことにした。


「この牢の鍵はさっきの看守が持っているのか?」

「ああ、恐らくな。任せるぜルテン」


俺は一旦エギー達の牢から離れると、さっきの看守を探す。

いたいた、やはり水を飲んでいる。

俺は後ろから看守の頭を鷲掴み、たらいに入った水に頭をぶち込む。


「ごぽぽぽっ、ごぽぽっ!」


気絶した看守の腕がだらりと伸びる。

さて、俺は看守の服をまさぐる。

左のポケットに、輪で繋がれた鍵が何種類も連なっているのを見つけた。

多分これだ。

俺はほくほくしながら愛達の元へ戻る。


「おお、ルテン。どうだったか?」

「手に入れたぜ、ほらこの鍵のどれかだ」

「流石ルテン君!」


俺は看守から奪った鍵を試してみる。

これでもない、これでもない。

鍵は何個もあるから大変だ。

急がねば、先程の看守が目を覚ますだろう。

カチャリ、と音がして牢の鍵が開く音がした。これだ!


「よし、出られるぞ」

「やったー!」

「他の投獄者達に脱出している所を見られると厄介だ。ルテン、俺達を捕まえるふりをして出口まで誘えないか?」

「任せてくれ」


俺はエギー達を縛ったロープを持つと、二人を引っ張り、上手く他の看守に会わないようにしながら二人を裏口まで誘導する。

裏口の扉をあけ、外に出て……扉を閉める。


「ふうー!脱出成功っ!」


愛がその場に座り込む。エギーは早速ネギを召喚し、縛られた体を開放した。

そのネギで、愛のロープも切ってやるエギー。

いつの間にネギで物を切れるようになったんだエギー。

ちょっとしたナイフじゃないか。


「お前達、逃げ出す気か!」

「あっ……」


木に括り付けた見張りの存在を忘れていた。

エギー達を開放する所をばっちり見られたらしい。

しまった。

俺も顔を見られてしまったな。

俺は見張りの首を腕で締め上げると、もう一度気絶させる。


「脱獄した事がバレるのも時間の問題だな」

「それまでにキューを助けよう。あと、バンパイアの襲撃は……」

「それは、私が行くよ」


凛とした声で愛が名乗り出た。


「五十人のバンパイアだぞ。大丈夫か?」

「皆、あのダンジョンにいるんでしょ。私が倒すよ。この街をタルンタルンと同じにはさせないよ!」

「そうか……じゃあ、バンパイア達は愛に任せよう。問題はキューだが、今何処にいるんだ。処刑されるってんだから、まだ身柄は拘束されているはずだ」


俺は再び地図を広げる。

監獄の近くには処刑場もあったはずだ。


「見つけた。処刑場だ、牢獄からすぐ近くだ」

「よし、俺達はキューを助けるぞ。すぐにでもこの処刑場に向かおう」


俺とエギーは愛と別れ、処刑場に向かうことにした。

俺はバサバサを連れ、エギーと共に監獄を後にした。

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