第二十三話 るてんのレベルアップ修行
ホロホロ森の村人達に歓迎され、泊めてもらった俺達には、課題がまだ残されていた。
そう、特に俺!レベルアップ問題だ。
今まで現れた魔物は強いやつばかりで、それらはまたチートなんじゃないかと言うぐらい強い覚醒した愛がほとんど倒してきた。
よってレベル1の俺に対して愛はもうレベル18というパーティー内でありえないレベル差ができてしまっていたのだ。
それはエギーも同じく、レベル6という俺よりはマシだがそれでも愛とかなり差ができてしまっているので何とかしなければならない。
そんな訳で、俺とエギーはホロホロ森の魔物を倒し修行をすることにした。
村から少し出たホロホロ森の中を歩いていく俺とエギー、後ろにはもしもの時の為にと愛がついてきている。
「魔術師の家から西北西、スライムの巣窟付近に行くのが一番経験値が稼げそうなものだが、予知だとルテンがな」
そう、俺はそこに行けば大量のスライムに囲まれて死ぬという予知を魔術師達にされていた。
しかしこの予知は昨日のもので、今日はどうなるか分からないのだ。
しまったな、一日後を占えるラテに捕まえた時に予知してもらっておけば良かった。
「洞窟のゴーレムもバサバサがいれば簡単に逃げられたし、バサバサと共に行けば大丈夫なんじゃないかと思うんだ。エギーの方が危ないんじゃないか?」
隣のバサバサが首を俺に擦り付けて甘えてくる。
俺はそんなバサバサに手持ちの干し肉をやると嘴で器用に持ち、上を向いてぱくぱく飲み込んだ。
「俺にはネギを大量に召喚できるスキルを取得している。もし大量のスライムが現れても大丈夫だ」
「うっかり強い敵が現れても私がいるから大丈夫だよ〜!」
背後の愛が呑気にそう言う。
愛は余裕があっていいよな……。
それにまた何か食っている。村人から貰ったスコーンを水筒に入れた紅茶と共に飲み食いしている。
美味しそうだな……。
「魔術師の占いはシビアだったな。どこへ行っても誰かが死ぬ風だったから、余程危険なのだろう。村の周囲を散策するに留めるか」
そう言うが先に、茂みががさがさと動いた。
飛び出してくるスライム。
今度は固まっている、なんてことはなさそうだ。
『スライムと遭遇しました』
「ルテン、先に行け!苦しかったら俺が援護する!」
「おお!ありがとう!」
エギーはレベル1の俺に配慮してくれる。
全く情けないもんだ。
こいつを何としても倒さねば。
スライムは形を変え、魔法で雷を落としてきた。
俺はその場から跳ね退く。
剣を構え、スライムに一撃!しかし、スライムの体の一部を掠っただけで、すぐにグヨグヨと切れた体を修復された。
ぐぬぬ、これは厄介だ。
「ルテンは武器的に倒しやすいんじゃないか?弓ネギの俺だと体に風穴を開けても修復されてなかなかダメージに繋がらないかもしれないな」
矢ならまだしも弓ネギなのが問題じゃないのか。
と思ったが今はスライムの戦闘に集中だ。
三発落とされた雷を避け、もう一撃、今度は体が真っ二つになるように剣を振るう。
スライムは見事、一刀両断された。
これは流石に修復しないだろう。
案の定、スライムは霧散した。よし!
『1000バルス獲得。経験値獲得。2レベルアップしました』
やっとレベル3だー!俺は歓喜した。今までレベル1で心もとなかったぜ!これで少しは冒険が楽になる。
「次は俺だな。しかし、ルテンとは違い刃物じゃないからな。どう戦うか……」
エギーが手を顎に当てて考える。
と、また茂みががさがさと動き、スライムが出てくる。
愛が背後から声をあげる。
「エギー!」
「ああ、やってみるよ」
『スライムと遭遇しました』
エギーもまた、雷を落としてくるのを避けると、弓ネギのネギを構える。
ネギを縦に振るい、スライムを一刀両断した。
『スキル使用。ネギスマッシュ』
おいおい!ネギで一刀両断とか有りなのか!?俺の剣と同じ精度じゃないか!スライムはやはり霧状に霧散した。
『1000バルス獲得。経験値獲得。1レベルアップしました』
「よし!これで俺はレベル7だ」
便利なネギだな全く。
こうして、俺とエギーは交代で出てくるスライムを倒していった。
所謂、経験値溜めだ。




