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夜桜神楽  作者: 武神
第一章 京料理は愛を育むのかもしれない
7/18

漆ノ夜 駆け込み寺の時間はズレている

今更ですが、今章の時系列は「鬼闘神楽」第4章「拾漆ノ舞 封印を破る狂気」以降の第4章と同じ時系列です。

 西薗彩乃に啖呵を切ってしまった手前、引っ込むに引っ込めなくなった私は結局あの不思議な喫茶店の調査を継続する事になった。

 今日はあれから3日後の朝だ。



「そろそろあの店、もう一回行ってみようかしら」



 屋敷の窓から差し込む朝日を眺めながら私は一人ごちる。

 私がこの京都鞍馬にある西薗の屋敷に来て5日目。

 修行の成果はハッキリ言って芳しくない。西薗彩乃は私に何も言わないが、3日目が終わった辺りから自分でも力の伸びが無くなったように感じていたから。

 燦燦と照り付ける太陽は私にもっと元気を出せと言わんばかりに発破をかけて来るけれども、とてもそんな気分にはなれない。


 だからだろうか。

 私はもはや調査など関係無しに、あの店「カフェ&バーNOIR」に足を運びたくなっていた。

 西薗彩乃の言う通りだ。まだ一度しか会っていないというのに、私はすっかりあの店主に絆されている。

 あの店主にもう一度会えば、何か勇気の様なものが貰えるんじゃないか。そう思ってしまう程に。



「あぁ…………なんだかバカみたい。決意も決断もとっくの昔に決めた筈なのに」



 別に私も軽い気持ちでこの京都まで足を運んだ訳では無い。

 だけど、私の目指すゴールはあまりに遠く高い場所に在って、その道も細く頼りなく続いているのかすら定かではない。

 こんなにも弱気になってしまうのは彼が――――幼馴染の想い人が傍に居ないからなのだろうか。



「なによ、ホントにバカじゃない。これ位で弱気になるなんて私らしくない」



 私はそんな自分を認めたくなくて、首を振った。

 彼に想いを伝えたいというそんな気持ちは当然だけど変わっていない。

 だけど私は自分の思い通りにいかないというただそれだけの理由で、子供が駄々をこねるみたいに負の思考に追いやられていく自分を認めたくは無かった。


 私はそんな気弱な気持ちを振り切る様に着ていたネグリジェを脱いだ。

 そして代わりに着るのは少しだけお気に入りの服。

 薄水色のキャミワンピにデニムのショートパンツ。上に白のカーディガンを羽織って、靴は少しだけヒールの高いサンダル。元々はこの夏に一哉兄ぃとデートしようと思って買っていた服だけど、今のところ活躍の機会は無い。

 そんなおでかけ仕様の服をこの京都に持ってきている時点で、どれだけ浮かれてたのかという話なのだけれども。

 そして最後に、私のトレードマークとも言えるサイドテールを結んで部屋を出、そのまま玄関へと向かう。


 別にこれからデートをするわけでもないというのに無駄におめかしして屋敷を出ようとする私に、西薗彩乃の執事の石動さんが話しかけて来てくれた。



「北神様、出町柳までお送りいたします」



 私は少し悪いと思いながらも、石動さんの申し出を受け入れることにした。なんとなく、NOIRまでは静かに移動したかったから。



「そう、これは気分転換。私は気分転換に調査に行くの」



 誰が聞いているという訳でもないのに、私はそんな言い訳をしていた。





 まあ、当然と言えば当然だと思う。

 一度訪れたのだから、店への"入口"は簡単に見つかった。

 私はいかにも川に興味を持ったかのような素振りで"入口"へと近づくと、気が示す通りの手順を踏んで、そして最後の一歩を踏み出した。


 途端に変わる景色。

 周囲に小川の姿は消え、鬱蒼とした森の中にただ一件立つ小屋の様なお店が忽然と姿を現す。私はこの現象を3日前にも体感している。

 やっぱりあの大雑把な文句が書かれた黒板の立て看板もちゃんとある。



 ■異世界京料理カフェ&バー NOIR

 ランチ(京風)…11:00〜14:00

 バー(京風)…19:00〜23:00

 おひとりさま限定、1日1組

 定休日…気分次第

 住所…京都市左京区下鴨泉川59

 糺の森の中の、瀬見の小川をたどっていった先、古い榊の木の近くにあります。

 おなやみごと相談乗ります(解決できるかは分かりません)。



 あの時は気がつかなったけれど、このタイミングでは季節はズレないみたいだ。あの時、店の中で私は確実に冬のこの店に居た。だけどまだ店の外にいるこの段階では、相も変わらず鬱陶しい熱気が私を包んでいて、一刻も早く冷房の効いた部屋に逃げ込みたいぐらいだった。

 紛れもなく今は夏だ。

 スマホの時計表示も「2018/8/10 11:07」となっている。電波だけは相変わらず圏外になっているけれども。



「こんにちわ。今日も空いてるかしら?」



 店のドアを潜るのは2度目。

 今度は悩む事なくそのドアを開けて入っていけた。

 そして目に入るのは、あのボーイッシュな店主。

 彼女は私がリピートで来たことに驚いたのか、それとも営業開始直後に客が来るのが余程珍しいのか、ほんの一瞬だけ目を丸くした後、穏やかに表情を崩した。



「もちろん、空いてますよ」



 一度来たことがある。

 その事実はやはり、足取りを軽くする理由としては充分みたいだ。彼女の言葉を聞くなり、私は案内されるのを待つこともなく、カウンターにただ一席だけ設けられた椅子へと腰かけた。


 相変わらずいい店だな。

 暖かい木と、調和の取れた調度品。

 この店にいると、まるで実家の部屋の中で寛いでいるかの様な安心感を感じられる。

 そう思って飽きもせずに店内を見渡していた私を、店主さんがじっと見つめているのに気がついた。



「な、なにかしら…………?」


「…………今日はゴスロリ服じゃないんですね」


「あ、あのねぇ…………。私をいつもいつもコスプレしてる痛い女呼ばわりするのは止めてくれないかしら」


「いえ、そういうつもりは無いですよ。ですけど、よくこの寒い日にコートも着ずにそんな薄着で出掛けられるなぁと思いまして」



 そこまで言われてやっと気がついた。

 確かにこの店基準で言えば、季節は冬。それなのに、客が薄手のキャミワンピなんか着てたら、不思議に思うのは当たり前だ。私だって「コイツ頭おかしいんじゃないの?」と思ってしまう。

 まあ、だからと言って真夏の京都を冬服で歩くようなドM行動はしたくないし、そもそも服を持ってない。

 今日はオフ、というのを強調したくて私服にしたけど、次からココ来るときはゴシックドレスに戻すべきかしらね。



「…………お、女の子はオシャレに命懸けなのよ」


「いや、それはちょっと命懸けすぎだと思いますけど…………」



 う。

 そんな、憐れなものを見るような目で見なくても良いじゃない。私だって今の言い訳が苦しすぎる事ぐらいわかってるわよ。


 とはいえ、ここでこの店の季節が反転してるなんて事は言わなくても良いと思って、苦し紛れの言い訳をしたのも事実。あまり変な事実を突き付けて、錯乱された挙げ句に一気に陰の側に堕ちられても困る。

 私は別に彼女の世界を壊したいわけじゃない。

 寧ろ、願わくばそれが少しでも長く続いて欲しいとすら思っている。

 だから、こんなところで軽率な発言をするべきじゃないのだ。


 とはいえ、再びこの謎現象に出会ったというのもまた事実。

 店の扉を閉めるまでは確かに夏だったのに、今、店の外の空気は明らかに冷たくなっている。

 原理は全くわからないけれど、扉を開閉という行為が季節の移行のトリガーになっているのは間違いないみたいだ。



「まあ、アイドルのオフショット。みたいな感じで良いと思いますよ、僕は」


「…………っ?! ええぇぇぇ……! な、なによ、いきなりぃ?!」



 そうしてこの店について考え込む私に、店主さんはまた爆弾発言を投下してきた。そして思考が一気に言葉の方に戻ってきたと同時に、私の顔は火を吹くかと思うほど熱くなる。



「相変わらず可愛い反応しますよね、祈祷師さん」


「な、なっ! かわ、可愛いって! もうっ! からかわないでよ!!」


「いや、だからそういうところですよ。祈祷師さん、本当にアイドルとかやってみたら良いんじゃないですか?」



 ただでさえ照れてしまうような事を言われているのに、店主さんは寸胴鍋に野菜を放り込むような気軽さで次々に言葉の爆弾を投下してくる。

 もう、頭が湯立っちゃうじゃないっ!!

 お願いだからもうやめてぇ!

 というより、この(ひと)、どんだけ私をアイドルにしたいのよ!!



「もうっ!! だからからかわないでって言ってるじゃない!! それより、お料理のリクエストしてもいいかしら?」


「ごめんなさい。でも割と本気ですよ? それと、ご注文ですよね。リクエストあるならお聞きしますよ。応えられるかどうかは別ですけど」


「ホント、貴女忌憚ない言い方するわね。お悩み相談の事もそうだけど」



 私はホームページに書かれた、あまりにも潔い免罪符の文言を思い出していた。

 まあ、気持ちはわからなくはないけれど、普通そういう事は堂々と言うものじゃ無いでしょう。本当に変わった(ひと)ね。



「まあ、そういう性格なんですよ、多分生前から。それで、ご注文は?」



 ともすれば失礼とも取られかねない私の言葉に、店主さんは特に気分を害したような様子も無く、ただ流れ作業の様にスルーした。それが、よく言われる事だからなのか、彼女自身も自覚のある事だからなのか。それはわからなかったけれども。

 ともかく、リクエストは受けてもらえるらしい。そうなると、私が取る選択肢はただ一つ。



「オムライス。京料理風にしたらどうなるのか、ものすごく興味あるわ!」



 それは私の一番の好物。

 自分でもわかるぐらいのドヤ顔で言ったその言葉を聞いた瞬間、店主さんの顔がほんの少しだけ嫌そうな顔になったのを、私は見逃さなかった。





「とりあえずこんなもんでどうです?」



 私の目の前にはちょっと変わった和風のオムライスが置かれていた。



「蕪と茸の和風あんかけオムライスです」


「あんかけソースのオムライス……あんまり食べた事無いかも。私、オムライスはケチャップ派なのよ」


「あれ、お気に召しませんでした?」


「そうは言ってないわよ。――――――いただきます」



 出てきたオムライスを一口、口に運ぶ。瞬間、口に拡がる香しい松茸の香りと――――鰹出汁。

 そして柔らかくなった蕪と茸と卵とご飯がしっかりとマッチしている。

 まあ、回りくどい言い方は無しにしましょう。



「――――おいしい…………っ!」



 店主さんの顔が少しだけ緩んだのも、やはり私は見逃さなかった。



 店内のBGMのD-princessの聞き覚えの無いアルバムを聞き流しながら、そのままあっという間にオムライスを完食した。

 それにしてもこの店主さん、ホントに私に対してはアイドル一辺倒ね。

 私、ドルオタなんかじゃないから、アイドルとかあんまりわかんないのに。

 まあ、D-princessだけはわかるんだけど。

 センターの小倉莉紗のハスキーボイスは結構特徴的だし、そもそも私、本人知ってるからね。


 おいしいものをお腹いっぱい食べると、気分も晴れる。

 店主さんがオムライスの皿を下げた時には、私の鬱屈した感情はどこかに行っていた。



「食後の飲み物はどうします?」


「この前のコーヒー、頂けるかしら。えぇと…………何て言ったかしら…………コロンビア?」


「エチオピアです。まだ豆残ってるんで、淹れますね」



 何度見ても手際がいい。

 そうしてあっという間に淹れてもらったコーヒーが私の目の前に出て来る。

 さっそく私は一口、口を付ける。

 途端、あの芳醇な香りと程よい苦みが口の中に拡がった。



「はぁ……おいしい……」



 その味と香りに釣られてなのか。

 それとも店の雰囲気に流されてなのか。

 私はまた、心のしこりを口に出していた。出してしまっていた。



「目標があって…………そこに至るまでの道が見えない時…………貴女ならどうする?」


「…………どういうことです?」


「相談よ、相談。何か目標があってもそれが遥か遠くにある時……私はどうするべきかわからなくて…………」



 正直言って、別に私は本当に相談したいわけじゃない。

 こんな事は私自身が答えを見つけて解決すべき事だとわかっているから。

 だけど、心に溜まった膿みたいなものは、定期的に吐き出さないとロクな事にならない。

 彼の妹・佐奈を見ていればよくわかる。


 店主さんは初め、キョトンとした顔で私の事を見ていたが、やがて質問の意味を飲み込んだかのように目を閉じた。

 そして彼女は食器棚からグラスを一つ取り出すと、クリスタルアイスを一つ放り込む。

 中に注ぎ込むのは琥珀の液体。

 未成年の私がわかるのもおかしな話なのだけれど、その液体はボウモアというウイスキーだ。

 一哉兄ぃの晩酌に付き合うようになってから、飲みもしないお酒の知識だけ増えている気がするけど、これが役に立つ日は果たしてくるのかしら。


 店主さんはほんの一口だけウイスキーに口を付けると、ほぅと息を吐き、私をその黒く美しい瞳でしばらく見つめた後、口を開いた。



「まあ、これは前も言ったと思うんですけど……」


「ええ」


「僕、生前の記憶は無いんですよね。それも綺麗さっぱり。びっくりする位何も無いんです」


「…………」


「だからですね、僕にはそんな覚えが無い。ほら、僕死んじゃってるじゃないですか。あんまり目的だとか、目標だとかそういうのは無くって。このお店だって、"やりたい"って気持ちに素直に従って開いてるだけ。そんな僕が祈祷師さんのお悩みをしっかりと理解してあげる事は出来ないと思うんです」



 そう言って再びグラスに口を付ける店主さん。

 その眼はどこか寂しそうで、でも私は何も言えなくて。



「だけど、僕がもし、何か目標を持っていたとして。それでも届かないとして。どうしても届きたいのにそこに至る道がわからなくても。そこに至る道があるのかわからなくても。不安で押しつぶされてしまいそうだとしても。僕は大切な誰かが傍に居れば何とかなると思うんです」


「え?」



 彼女の答えは何だか彼女自身の後悔の様にも思えた。

 彼女自身記憶が無いのだから確かめようがない事だけれども。それでも何となく、それが彼女の生前の未練の一つなんじゃないかと、私は思った。

 きっと彼女は生前、道の見えない何かに怯えていたのだと思う。そしてその時、彼女は大切な誰かを敢えて遠ざけてしまった。

 何の確証も無いけれども、私はそう思った。



「あ、それで目標に届くとかそういう事言うつもりありませんよ? そんな保証僕にはできないですし。でも、一人で足掻き続けて道を踏み外してしまった事にすら気がつけない位なら、大切な誰かと、全く新しい第2の道を見つける事の方がずっと大事で、ずっと尊い。そうじゃないかって思うんです」



 私は彼女の答えに、肯定も否定も出来なかった。

 私にとっての大切な人というのは勿論一哉兄ぃだ。でも、私の目標は彼と共に居て達成できるものだとは到底思えない。彼の隣に居るために、彼の隣に居るというのはいささか矛盾が過ぎる。

 私の心の中に、朝起きた時の様な、暗いジメジメとした感情はもう無い。だけど私は結局、何もわからなくなってしまった。



「――――まあ、ホームページにも書いてる通り、お悩みを全部が全部解決できるわけじゃないんで」



 そんな私の心中を察したのだろうか。

 彼女の方からこの話題を蒸し返すような事はしてこなかった。

 そしてもう一口ウイスキーに口を付けると、がらりと雰囲気を変えるように笑顔になった。



「ひとつだけ自慢話してもいいですか?」



 彼女の方からそんな事を言いだしてくるとは全く思っていなかったけど。

 態々空気を変えてくれるというのだから、私もそれに乗る事にした。



「あら、何かしら」


「この前ですね、小説家の方がここにご来店されたんですよ。ご存じないです? 斎藤伊吹先生」



 残念ながら私にその名前は聞き覚えが無い。

 自慢する位なんだから、有名な人なのかしら。



「知らないわね。そんなに有名な人なの?」


「まあ、全体的な知名度としてはどうなんでしょう。でも、決して無名では無いですよ。あ、でも彼女の作風は一部では凄い有名です。一部のファンは"ネオサイコパスファンタジー小説家"って呼んでるぐらいです」



 な、何?

 ネオサイコパス……?

 というか、それ、貴女が勝手に呼んでるだけじゃ……?



「そ、そう? ごめんなさい、全く分からないわ。私も今度、本屋さん行ってみようかしら」


「ぜひぜひ。でまあ、自慢って言うのは、その斎藤伊吹先生がここに来たって事なんですけど――――」



 その後少しだけ、彼女の見た目からは少しも想像できない位興奮した店主さんの姿を見る事が出来た。

 そうして二人で話しているうちに、私のコーヒーも店主さんのウイスキーもとっくに空になっていた。



「まあでも、貴女のこの店も凄いわよね。男女も貴賤も年齢も、挙句の果て客の生死すらこのお店の前では平等なのだもの。まったく恐れ入るわね」


「僕も流石に驚きましたよ。8日間も閑古鳥が鳴いていて、さすがの僕も珍しくテコ入れなんかしてみようかなって思っていたところに、有名人のお客さんですからね。作風からどんな人なんだろうって心配してたんですけど、思っていたよりもずっと話しやすくて面白い人でしたよ」



 相変わらず楽しそうに話す店主さんを眺めながら、私はもはや空になったコーヒーカップを弄んでいた。今日ばかりは相談事ではなく、興奮する彼女をお土産に屋敷に帰ろう。そんな風に思っていた。

 だから私が思いがけず耳にした事が、私の緩んでいた思考回路を一気に引き締める事になるなんて最初は思いもしていなかった。



「え…………? 貴女、今8日間閑古鳥が鳴いていたって言ったわよね?」


「ええ。まあこのお店、人が来ない時は本当に来ませんから。生きている人は貴女みたいな、ものすっごい霊感ある人か、死んでる人の2択ですから仕方ないんですけどね」


「斉藤伊吹って私より後に来たお客さん……なのよね?」


「ええ。だから、貴女も後4日早く来れば斉藤伊吹さんにお会いできたかもしれません。惜しい事しましたね」



 楽しそうに笑う店主の笑顔を私は呆然とした表情で眺めるしかなかった。

 4日前と言えば、私が西薗彩乃に連れられて食事した料亭の女将さんからこのカフェの調査の依頼を貰った日だ。そして私はそれよりも8日早くこの店を訪れているという。

 だけど12日前は私はまだ東京に居た筈だ。その時は、このカフェの存在そのものを知らない。


 その後、私は噛み合わない話がどうにも気になり過ぎて会話を一切楽しめず、そのまま西薗の屋敷に戻る事となったのだった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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次話、第8話は4/15 22:00掲載です。

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