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8.The beginning!!!


「な、なんか怖いよお姉さん。でも、魔獣狩りって危ないよ? 」

「ハハハ、私はその辺の獣には負けはしないさ。女騎士を名乗る以上、強さには自信があるぞ」


 ぽんっ、と自らの胸を叩いた。大きな胸をふわりと揺らして、ラファエルは赤面して目線を落とす。


「う、うん。お姉さんがそこまで言うなら。じゃあ、ボクにも何か手伝えるコトはあるかな」

「手伝うことか。ふむ、まさか一緒に戦ってくれというわけにはいかないしな」

「戦えるなら戦いたいけど、ボクじゃ足を引っ張っちゃうだけだと思うから」

「それ以前にラファエルを危険に(さら)したくは無いな。かと言って、何もさせないのも……って、そうだ」


 両手を叩き、何かを思いついたように言う。


「そうだ、ラファエル。この辺の山を記した地図は持っていないか? 」

「地図? う~ん、倉庫でも見たことないなあ」

「なるほど。それならば、一緒に山の散策に行かないか」

「山を冒険するってこと? 」

「そうだ。今後のために調査をしようと思っていたんだ」

「でも、ボクじゃ足を引っ張っちゃうよ」

「構わない。少しずつ体力をつける意味もある。キミが良ければ一緒に行こう」

「う、うん。じゃあ、お姉さんが良いっていうなら、ボクも行きたい! 」

「ああ、一緒に行こう」


 ぱちんっ! ルリアは、指を鳴らした。

 そして早速、二人は出かける準備を始める。まず、動きやすい軽装に着替え、革袋に清水をいっぱいに詰め、キッチンから持ち出した包丁一本をタオルに巻いて、それらをリュックサックに仕舞った……が。


「お姉さん、今日は夏日で暑いのに、長袖のローブって大丈夫なの? 暑くて倒れちゃうんじゃ……」


 ルリアの選んだ衣服は、ラファエルもルリアも長袖であった。

 今日は真夏日。時刻が十一時を過ぎてから、気温は三十度を越えているのに、どうして長袖のローブを羽織る必要があるのかとラファエルは疑問を浮かべる。その問いにルリアは人差し指をチッチッ、と振って答えた。


「駄目だ。山の中は何で怪我をするか分からないし、虫刺されなんかの対策にもなる。それに、着用したローブは軽い上に頑丈で通気性が非常に高い夏服タイプだ。外に出てみると分かるが、直射日光を浴びるよりずっと涼しく感じると思うぞ」


 元冒険者の両親だけあって夏用ローブ|(しか)り、利便性の高いものが揃っていた。自分もラファエルも、吸水性と速乾性の白いシャツに、ズボンは動きやすいゴムのズボン、そこに薄手の茶色いローブを羽織る。いわゆる現代の冒険者スタイルのうち、軽装タイプである。


「へえ~、そうだったんだね」

「ああ。でも、あまりにも暑い時はローブは状況に応じて脱いでも構わない。あと水分補給はこまめにな! 」

「うん、分かった! 」

「それでは、準備が出来たわけだし、そろそろ出発しよう! 」

「おーっ! 」


 準備の終えた二人。

 リュックを背負い、元気な掛け声と共に外に飛び出した。


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