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豪邸の仲の悪い執事とメイド  作者: 喜多しぶん期
2/3

執事とメイドはこたつに負ける

「うー、さみさみ」

冬の朝、玄関前の掃除をこなしていると吐く息が白くなる。

体感的に寒さを嫌という程感じているのに、視覚的にも気温が可視化されたようで寒さが増倍するようだ。

「ひえー、さっさと終わらせよ」

先日のアリアではないが、風邪をひいてしまったらたまったものではない。

「こういう日は・・」

「こたつが欲しくなるわねぇ」

「うぉあ!?」

急に後ろから声がしたかと思ったら、春菜様がそこに立っていた。

「脅かさないでくださいよ」

「ごめんごめん、わざと」

「ですよね、春菜様はそういうお方ですよね」

はぁ、と一息ため息を吐くと掃除用具を片付ける。

「しかしこたつ、ですか」

「えぇ、今アリアに言って準備してもらってるわ」

「マジっすか」

相変わらず思い付きで行動をするお方だ。

付き合わされたアリアも可哀想っちゃ可哀想だ。

「まぁでも春菜様の体調を崩させるわけにはいきませんからね」


「とは言ったけどお前が暖をとってるんかい!アリア!!」

「心地いいです」

春菜様に言われて部屋に行くと、そこにはこたつで丸くなってるメイドがいた。

つーかアリアそのまま寝っ転がってるんか。

「ちょっとアリア、ちゃんとみかんは準備したんでしょうね」

「ちゃんと段ボールごと横に置いてあります」

「面倒だからって箱ごと持ってくる奴があるか!!」

ドスンと存在感放つその中にはたくさんのみかんが入っていた。

「細かいこと気にしないでください、そんなんだとハゲますよ」

「うるせー、ハゲんわ」

その時、アリアの横から何かがズボッと出てきた。

「そうだぞー、ハゲるぞー」

「お前もいるのか将生ィ!!」

料理人の将生までこたつの中で丸くなっていたらしい。

どんだけここに集まってんだ。

「まぁまぁ、そんな細かいこと言わずにリアも入りなさいよ」

「まぁ寒いですしね・・ではお邪魔して・・」

その時ふと気付いた。

アリアが入って、その対面にお嬢様がいて・・

将生が入って、その対面にみかんの箱があって・・

「俺入るとこねーじゃん!!」

「あ、ほんとだな」

結局俺はみかんだけ食べて部屋に帰りました。

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