◇登場人物紹介と用語集(第1部終了時点)
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これは第2部開始時点のキャラクター紹介ページ、
及び用語の解説ページとなります。
第1部のネタバレも含まれますのでご注意ください。
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【 登場人物 】
□ムングイ王国
◆宮本 武蔵
本作の主人公。16歳、中学二年生(ムングイで一年半も過ごしたため、その分、同級生たちより年を取っている)。
幼馴染の真姫に唆されて剣道を始めるが、試合に全く勝てないため、その名前にコンプレックスを持っていた。
異世界転移した際に、勝負事に必ず勝つことができるチート能力”勝利の加護”を授かる。
当初は元の世界に残してきた真姫のために帰りたいと願っていたが、異世界で生活しているうちに、異世界で出会った人たちの方が大切だと感じるようになる。
元の世界へは帰らないと決意した直後、武蔵の想いに反して女神ラトゥ・アディルによって強制送還させられる。
◆サラス
ムングイ王国元国王代理。
スレンダーな体系で、黒髪ストレートの女の子。
時間を操るバリアンの能力を持ち、魔王を倒すために武蔵を異世界へと転移させた張本人。
無理やり武蔵を連れて来てしまったことに罪悪感を持っている。
人に相談することが苦手で、悩みを一人で抱えがち。
それが原因で魔王の手先だと言われ、ムングイ王国から追放されてしまう。
アンドロイドのサキを倒すため、バリアンの力を使い果たして、廃人となる。
◆パール
アンドロイドと同じメイド服を着た幼女。
魔王の娘で、人の心を操るレヤックの能力の持ち主。
武蔵が文化の違いから誤ってプロポーズしてしまい、以降、武蔵に好意を寄せる。
核爆発による放射線被ばくの影響から白血病に掛かり、生死の境をさまよっていた。
ふわふわな栗色の髪も、治療で全て抜け落ちてしまった。
武蔵とはこのときに、「ずっと一緒に生きる」と誓い合い、結婚指輪を送る。
魔王の下で治療を行い、回復の兆しが見えていたが、果たして……。
◆カルナ
ムングイ王国騎士団員。
ビキニアーマーの金髪美少女。
サラスの護衛役にして友人。姉のような存在でもある。
小さい頃に、両腕が無骨な機械の大男に母親を殺され、誘拐された過去を持つ。
そのため魔王とその大男に強い憎しみを持っている。
また、そのときに助けてくれたヨーダを父親と思い込んでいる。
勝気な性格とは裏腹に、精神的にはとても脆く、それを認めてくれた武蔵の存在が支えになっていた。
しかしサラスが魔王と通じていたことを知り、サラスに剣を向ける。
さらにはそのサラスを庇った武蔵とも敵対してしまう。
◆ヨーダ
ムングイ王国騎士団元団長。現ムングイ王国国王代理。
筋肉質の大男。上半身裸のスタイルが粗野に見られがちだが、意外と思慮深く大人な対応を見せる。
魔王側に与していた時期もあり、身体の一部を機械化したサイボーグでもある。
カルナの母親を殺した張本人でもあるが、そのことをカルナだけが知らない。
バリアンの残酷な運命から、サラスを解放したいと願い、サラスの国外追放を画策する。
ただし、ヨーダが当初願った残酷な運命からの解放は、サラスの現状を鑑みても、上手くいったとは言い難い状況である。
◆サティ
元はパールの母親役として作られたアンドロイドで、パールにとてもよく似ている。
型番はRUR-U型30号。
記憶装置が破損してしまい、パールの母親役であった記憶は全て消去されてしまう。
武蔵の手によって再起動された影響からか、現在では武蔵の専属メイドのサティを名乗っている。
度重なる戦闘行為の結果、身体中にガタがきている。
◆クリシュナ
サキ・アンドロイドの元手下で、核兵器運搬に携わっていた人物。
赤毛をおさげにした、細身で低身長の女の子。
現在はヨーダの内情を知る唯一の人物として、ムングイ王国騎士団副騎士団長の座に就く。
姉のアルシュナに子ども扱いされ続けたことがコンプレックスなのか、承認欲求が強い。
ただし、一番認めてもらいたかった姉はもうすでに亡くなっているため、満たされない想いを常に抱えている。
□魔王陣営
◆アルクイスト・ロースム
異世界で魔王と呼ばれる白衣の青年。魔王アルク。
核実験の失敗によって現実世界から異世界転移を果たした一人。
異世界転移前は白血病を患い余命幾ばくもない状態だった。
しかし”不老不死の加護”の能力を授かったことで、一緒に異世界転移してきたメンバーで、唯一、生き延びてしまった。
現実世界に残してきた奥さんのサキに「一言謝りたい」がために、元の世界へ帰ることを望んでいたが、それがもう叶わないと知るや拳銃自殺してしまう。
◆サキ(アンドロイド)
魔王の嫁を名乗る着物姿のアンドロイド。
魔王アルク曰く、「彼女はサキではなく、その妹ケイのアンドロイド」とのことだったが、本人はそのことを否定し続けている。
魔王を現実世界へ帰したくないがため、バリアンを殺そうと核攻撃を行っていた張本人。
彼女がサラスを殺すのを見て、魔王は自殺を決意する。
魔王の遺体を抱えてどこかへ消えてしまったサキ。その後の彼女の行方は誰にもわからない。
◆ケイ
魔王アルクの義理の妹。
魔王アルクと共に異世界転移を果たした一人。
義理の兄であるアルクに恋心を抱いていた。
”生出の加護”を授かり、アンドロイドを造り出す。
また当時のバリアンと非常に親しくしていて、ヘレナが彼女を殺してしまったことに、とても後悔していた。
ムングイ王国との諍いによって命を落とす。
◆ヘレナ
医療専属アンドロイド。
型番なし。
ケイが作った一番最初のアンドロイド。
ケイが親しくしていたバリアンを、治療中に誤って殺してしまう。
◆スラ
武蔵のお世話係りを魔王より言い渡されたアンドロイド。
型番はRUR-U型40号。
のほほんとした喋り口調に反して、とてもせっかちな性格をしている。
◆ウェーブ(アンドロイド)
パールの母親の記憶を埋め込まれたアンドロイド。
パールがレヤックの力を暴走させてしまった際に、命懸けで助け、再起不能に陥る。
スラ曰く、他のアンドロイドと違う作りをしていて、そもそもなぜ動いていたのかさえ謎なのだと言う。
□武蔵の友人
◆樹 真姫
武蔵の幼馴染で、武蔵の初恋の相手。
元々は明るく活発な女の子だったが、母親を震災で亡くしてから、心を閉ざしてしまう。
生きる気力を無くした様子の彼女を、武蔵は甲斐甲斐しく面倒見ていた。
武蔵が現実の世界へ帰りたいと望む、最大の理由だったが……。
◆江野 栄介
武蔵が通う剣道場の跡継ぎ。
文武両道で、周りからは神童と呼ばれているが、本人はあまり自分に自信がない様子。
本人はあまり剣の道に興味が無く、根っからのガンマニア。
◆倉知 有多子
武蔵のクラスメイト。
機械いじりが大好きで、変わり者と言われている女の子。
武蔵に唆され、将来はロボットを作る人になりたいと願う。
◆岸 遥人
武蔵のクラスメイト。
熱血漢で、情に厚いが、直情型ですぐにムキになる。
将来の夢は『ロボットのパイロット』。
◆守 ものり
武蔵のクラスメイト。
外務官僚の父を持つ、お嬢様。
争いごとが苦手。「争いは話し合いで解決できる」が持論。
◆津久井 任
武蔵のクラスメイト。
身体が弱く、学校を休みがち。
――もっと丈夫な身体があれば、皆ともっと一緒にいられるのに。
◆江野 リオ
栄介の従妹。生れ付き目が悪い。
その眼が原因で、栄介は彼女の父親が運営する剣道場を嫌々継ぐことになる。
分厚いレンズの眼鏡を着けている自分が嫌い。
□ロボク村
◆シュルタ
ロボク村の子供。パールの友人。
ロボク村が核爆発の影響で住めなくなったため、一時的にムングイ王国へ避難していた。
パティに好意を寄せている。
また、騎士団に憧れを抱いている。
◆パティ
ロボク村の子供。パールの友人。
ロボク村の核爆発によって母親を失い、現在はシュルタの家で世話になっている。
一時はパールと母親の死で言い争いになったが、今ではすっかり仲良しである。
少しませた部分がある。
◆ナクラ
ロボク村で村長の補佐をしていた人物。
村長亡き後、新村長としてロボク村の復興に励んでいる。
□その他の登場人物
◆アルシュナ
カルナが誘拐された先で知り合った友人。
カルナが救出された後、程なくして、クリシュナを助けるため、脱出計画を企てるも、失敗。命を落とす。
◆ラトゥ・アディル
女神。
その昔、ムングイ王国を火山の噴火から守ったとされる人物。
または、ムングイ王国に伝わる古い予言にて、永遠の平和と幸福をもたらすとされる人物。
時間の狭間に漂う存在で、そこを通る者の願いを加護という形で一つだけ叶えてくれる。
【 用語集 】
◆ムングイ
武蔵が飛ばされた異世界を治める国家、またはその島の総称。
この世界には一つの島と、一つの国しか存在しない。
魔王が現れるまで、外敵と呼べるような存在も少なく、統治機構も極めて貧弱だった。
バリアンと呼ばれる巫女を国家の象徴として、代々その巫女の夫となるものが国王となる。
◆バリアン(白呪術師)
ムングイ王国の未来を占い、導くとされる巫女。
またはその能力の総称。
その実体は、時間操作能力である。
使用者の意識を時間の狭間に取り残すため、本来は生涯で一度しか使用できない。
その能力は子供へと遺伝していく。
◆レヤック(黒呪術師)
人の魂を読み取り、操ることのできる能力者。
自我を喪失すると簡単に暴走を起こしてしまう危険な能力でもある。
その能力の性質からムングイの人たちには”魔女”や”悪魔”とも呼ばれ、忌み嫌われている。
その能力は子供へと遺伝していく。
◆アンドロイド
機械人形。自動人形。メイドロボ。
誰の趣味か、ムングイで見られるアンドロイドのほとんどがメイド服姿をしている。
また全てのアンドロイドに「バリアンに危害を加えてはならない」という原則が存在する。
それ以外の行動に制限はないのだが、それぞれの役割に応じて、思考レベルに差がある。
◆ゾンビ
動く死体。レヤックによって、魂を抜かれてしまった存在。
自我どころか感覚と呼べるもののほとんどがなく、音や動くものに反応する。
腕がもげようと、傷口が化膿して腐ろうが動き回るため、その姿から「ゾンビ」「動く死体」と呼ばれる。
◆魔法の杖
この世界における核兵器の総称。
ムングイ王国に伝わる予言に基づき、そう呼ばれるようになる。
ちなみに作中で使用された核兵器の中では、ウェーブの研究施設を破壊した150キロトンが最大のもの。
◆魔法の杖の毒
核兵器による放射能汚染のこと。あるいは放射線障害によって罹る病気全般を指す。
◆ロボク村
魔王との戦争によって被害を受けた人たちが寄せ集まってできた村。
二度にわたる核爆発に巻き込まれ、放射能汚染の問題から誰も近付けない村となってしまった。
生き残った住民たちは、ムングイ王国へ避難したが、村の復興を強く願っている。
◆ニューシティー・ビレッジ
魔王が暮らしていた町。
元はアメリカのニュージャージー州にある高速増殖炉実験設備を中心とする、作業員とその家族が暮らす町だった。
増殖炉の暴走・爆発事故によって、この町に暮らしていた42名が異世界転移を果たす。
ちなみに増殖炉実験施設は「N-PRISM」と呼ばれ、ここでパールは白血病の治療を受ける。
◆時間の壁
ムングイ王国がある大陸をすっぽり覆う壁。
物理的な壁ではなく、魔王曰く、負の質量をもつエキゾチック物質の塊。
現実世界と異世界を隔てているもの。
ムングイ王国の人たちは、”世界の果て”とも、単純に”壁”とも呼んでいる。
この壁の影響で、ムングイでは現実世界よりも時間の進み方が15倍も早い。
◆ギフト
チート能力。
女神ラトゥ・アディルにより、異世界転移を果たした人物全員に与えられる加護。
その加護は与えられる人物の願いに左右される。
登場したギフト一覧
武蔵:”勝利の加護” 勝負事に絶対勝利する。
魔王:”不老不死の加護” 老いることがない。
ケイ:”生出の加護” 望んだものを生み出す(造り出す)。
ちなみに加護自体は、ムングイに生まれた全ての人に必ず一つずつ与えられるものである。
異世界転移した人ほど強力ではないが、それぞれが何かしらの加護を授かっている。




