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退屈な日常に飽きて非日常を求めた結果  作者: 白猫
第1章 出会い
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3, 《 告げられた能力 》

 「なんで風呂が弾けたんだ!?ていうか君誰!?そもそもなんで風呂にいるの!?」


 すごい早口になってしまったがそんなことを考える余裕もない。慌てて目を閉じたが目に焼き付いて離れない。ここで目を開けて少女の裸体を見るという選択肢は社会的に死ぬのでできない。


 「はー。やっと会えたね!」


 「や、やっと・・・?」


 「うん。リングもつけてくれてる。あっ、言い遅れてた。私はシーナ。よろしくね!」


 「いやよろしくじゃないよ!まずなんで風呂から出てくるんだよ!」


 「あー。それはね、この元素変換再構築キューブを使って・・・」


 タッタッタ ガラ


 「何暴れてるの、にぃ・・・て・・・えっ?あの、ど、どちら様?」


 「なぜおまえは目の前の存在を否定しない!お前と俺と母さん以外にこの家にいたら明らかにおかしいだろ!」


 「う、うん。そ、そうだね・・・。」


 「と、とりあえず早く風呂から出でけ!あと俺を黙視するな千菜ァ!!」


 前代未聞の出来事に、混乱&パニックになりながらも必死に叫んだ。




 「どしたの綾ちゃん・・・その子誰・・・?」


 とりあえず風呂を上がり、服を着て、質問を始めようとした矢先、見計らったかのように寝起きの母が二階から降りてきた。


 「今から聞こうと思ってる。君、誰。」


 「だからさっき言ったじゃん、綾ちゃん。」


 「綾ちゃん言うな。俺は柊 綾斗、んでこっちが妹の千菜、んでそこに立ってるのが母さん。」


 「よ、よろしくです。」


 「ファ~・・・よろ~。」


 「なるほど。では改めまして、私はシーナといいます。」


 「んー。えっと、シーナさんでいいのかな?なんで家に?」


 「綾斗君が私と友達になってくれたから。」


 「いや、俺君のこと知らないんだけど・・・。」


 「リング。」


 「こ・れ・か・よ!!」


 外そうとしても外れないということは昼間に検証済みだが、それでも外そうと試みる。もちろん外れなかったが・・・。


 「それ指切り落とすとかじゃないと取れないよ?」


 「じゃあ指切手でも外してやる。千菜、包丁だ!」


 「ダメだよにぃ!にぃの指がなくなったら、私といろいろできないじゃん!」


 「うるせぇ!はなからお前と何かするつもりはねぇ!」


 「流血事件とかやめてね。あとうるさくしないでねぇ。じゃ、おやすみ~。」


 さっき起きてきて、話だけ聞いて二度寝かよ。マジで怠惰の化身だな。


 「あの~。服貸してくれません?ちょっと寒いです・・・。」


 シーナさんはとりあえず大きめのタオルを体にまいて、隠しているだけの姿だった。


 「あ、ごめん。とりあえずこれ着て。」

 

 そういって俺はジャージを渡した。


 「いいなぁ~。」


 「なんでうらやましがるんだよ。」

 

 「ハァ・・・。じゃあ私ももう寝るね。」


 「あ、おう。おやすみ。」


 すたすたと階段を上がる足音が聞こえ、やがてパタンと音がして静かになった。


 「・・・えと、シーナさん。」


 「シーナでいいですよ。」

 

 「じゃあシーナ。質問してもいい?」


 「なに?」


 「君はどこから来たの?」


 「・・・綾斗君はどう思う?」


 「初めて君を見たとき、なんかオーラみたいなのがまとわりついてるように見えて、なんとなく人間ではないと思った。」


 「やっぱり綾斗君は違うんだね。」


 「なにが?」


 「その目。普段は黒色だけど、『異なる者』を見るときに琥珀色とサファイヤ色に変わる、プロビデンスの目。」


 「そ、そんなうそはいいよ。」


 「じゃあ鏡、見てみる?」


 そういわれて鏡を見てみた。そこには、目の色が黒に戻りかけた自分がいた。


 「うわぁ!!!!!!」


 「プロビデンスの目は、異なる者を意図的に綾斗君が見ようとするか、異なる者が体外に異常量のオーラをまとわせたときにだけ発動するの。」


 「そんな・・・俺、人間じゃないのかよ・・・。」


 「ううん、綾斗君は人間だよ。ただ優れた能力があるだけ。」


 「そっか・・・。あのさ、君たち『異なる者』って何?」


「お、理解がはやいね。普通はパニックとかになるんじゃないの?」


「だって、もう変えようのない事実ってわかったから。受け入れなきゃいけないだろ・・・。


 「そっか。んじゃ簡単に言うね。『異なる者』、それは異世界、またはそれに類似する世界の者たち。そういえばわかるかな?」



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