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退屈な日常に飽きて非日常を求めた結果  作者: 白猫
プロローグ
1/4

《 退屈な日常 》

 「今日も平和だな・・・。」

 何げない日常に最近は、なんとなく退屈さを感じている。

 下校中にそんなことを考えるのも珍しいことではない。


 今朝はまず、いつものように寝坊しかけて焦った。


 午前の授業はいつもと同じように窓の外をボーっと眺めながら、「時間」という固定概念について考えながら授業を受けた。


 今日の昼食は確か、購買で買った菓子パンと牛乳だった。


 最近物忘れ?がよくある。昨日の晩飯や、昨日やったばかりの数式が思い出せないなどというレベルではなく、1時間前や、たまに3分前すら思い出せないという、もはや認知症レベルの記憶忘却率。「まぁ、たいしたことないしすぐ直る」と母さんが言っていたから気にしていないが・・・。


 そして午後の授業、最大の敵である眠気と戦わなければならないという、まさに地獄。内申点は下げたくないので居眠りは今までしたことはない。これが地味に自慢になっている。


 そして今に至る。


 こんな平和な日常を毎日のように繰り返していると、やはり変化がほしくなるものである。

 まぁ平和が一番だという点は否めないが・・・。


 そんな風にいろいろ考えていると足元への注意力が散漫となり、コケる。

 コケて打ったところに若干の痛みを感じながら起き上がり、コケると同時に道連れとなった自転者を持ち上げている時、ふと妙な感じの人が目についた。


 全身に名状しがたいオーラのようなものがまとわりついているような、普通の人とは若干違う感じの、同年代の女子くらいの背丈の少女?だった。


 その少女はすぐそこの角を曲がって、視界から消えた。なんとなく気になったので、その少女が曲がっていった角をのぞいてみた。しかしそこには誰もおらず、代わりに小箱が不自然に置かれていた。

 パンドラの箱かな?とか考えつつ拾ってみると、その小箱はさっきの少女と同じオーラのようなものをまとっていた。色は黒く、ブラックホールを連想させるような漆黒だった。


 「かっこいい小箱だな・・・。」


 その小箱を回転させながら全体を見てみると、この小箱は開くということが分かった。


 ――――― 中が気になる ―――――


 「す、少しだけ中、見てもいいかな・・・。」


 良心は持っているつもりだが、好奇心が勝ってしまった。


 カパッ


 少し開けてみると、中には透き通ったエメラルド色の宝石が付いた、派手すぎない装飾の入ったシルバーリングが入っていた。


 「綺麗だな・・・。」


 ふと気が付くと無意識のうちにリングが指にはまっていた。


 キュイイィィ・・・・・ン ――――――――――


 すぐに外そうとすると頭に妙な音が響いた。

 そして俺の意識がシャットダウンされた。



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