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〔Side.B 三人称〕
「助けてくれ──」それは中学の同級生、三島圭吾の悲鳴だった。
月光を反射して、大きな鉈が三島の鎌首を捉えた。一瞬にして生首が上空に飛んだ。平将門のように飛行している。
自警団の連中……変態を捉えようとした人間たちはことごとく餌食にされていた。
そのなかに見たことのある人物がいた。洗濯板で擦りあげたように髪を逆立てた金髪の男──自警団に所属する地元のゴロツキ──よろよろと、血を流しながら、こちらにむかって来る。だが、そいつは、完全に、死神に魅入られていた。
ローブの男。仮面を脱ぎ捨てる。白塗り。金髪の頭を鷲掴み。引き寄せる。口。大きく口を開く。歯。グシャリとetc。噛みつく。歯が肉をすり潰す音。噛み切られる。
「ギャ~~~~~」と長く悲鳴がこだまする。
顔の左半分が存在していない。
まるで獰猛な猛獣に喰いちぎられたようだった。
傷口から生身の肉と血が滝のように吹きだし流れ落ちる。後方を見渡すと、何人もの死体が積みかさなっていた。
白塗りの男。口紅みたいに口の周りに鮮血が染みついている。男の特徴に気づき、彼ははっとする。その男のことを彼は知っていた……
ミニバンに乗ってこの場から逃げだしたかったが、白塗りの男に次第に追い詰められていく。二人は最後の時を迎えようとしていた。大鉈がマキを突き刺そうとしていた。必死になって彼はマキを抱きしめた。その時であった。




