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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第7章(花火と練乳・後編)
52/84

7-2

〔Side.B 三人称〕


 道路に沿って真っ直ぐに進んだ。


 彼の額。汗がゆっくり滴る。タオルで拭き取った。図書館にむかって移動。図書館前の犯行現場から得ることのできた情報。ミイラ男のふたり組。


 目撃証言。引き締まった肉体の男。包帯グルグル巻き。意識しているのかどうかはわからないが、人目を避けるようにしていた。


 変態行動。


 犯人は用意周到──かつ緻密──に、犯行を計画しているのかもしれない。


 彼は図書館の前を通り過ぎ、第二の犯行現場である中学前の丁字路にむかった。


 坂道。自転車に乗り坂をくだった女性教諭が犯行に遭遇している。


 その場所は薄暗く、犯人の特徴はなにもわかってはいない。


 中学前の丁字路からアビィ・ロードにむかう。ちょうど異常行動の進行方向とは逆向き。夕暮れ前のこの街は、まだまだ蒸し暑い。


 メモ書き。犯行時刻をまとめてみると、


 ・中学前丁字路(下校時・日は沈んでいた)


 ・図書館前(閉館時・日は沈んでいた)


 ・駅の南口・バスターミナル(夜)


 いっけん、だんだん遅い時間に犯行はシフトしているように見えるが、なんの法則性も存在しない。ランダムなカオス状態。


 犯人が別々のグループの場合、なんらかの規則に従って行動する方がおかしなことだ。むしろ人のいない時間帯に、気まぐれに犯行は実行されているだけなのかもしれない。


 推理──異常者の考え──彼はなにも理解することはできなかった。


 自分たちが始めたことなのに、模倣犯たちなにを考えているのかなどなにもわからないのだ。本物が偽物を探す。バカバカしいと彼は思った。


 それでも、なにかを探した。移動する。場所はアビィ・ロード。

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