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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第5章(PSYCHOTHERAPY)
38/84

5-2

 役に立たない情報ばかり……僕はブラウザーのウインドウを閉じ、PCの電源を落とす。


 今日は昼に知人と会う約束──マーコの店に蕎麦を食いに行く約束だった。


 あいつの蕎麦は本人曰く絶品なのだそうだ。


 まだ約束の時刻までは時間があったので、珍しく新聞に目を通す。


 巷では物騒なことばかりが起こっていた。自殺者、ピストルで撃たれた人間、通り魔が人を刺した──猟奇的な記事ばかりが目についた。


 ネット同様うんざりだった。昼までどうやって時間を潰そうか……


 そう思っていると、下の階から怒鳴り声が聞こえてくる。


 母が父を罵る声だった。二階までまる聞こえだった。母がいうには父の足の裏は白癬菌に侵されているらしい。


 水虫とわかっているのなら、病院にいって治療してもらいたいのだが、父はまったく治療をする気がない。なので僕の両足は水虫である。


 それを笑っている母の足も、きっと水虫に違いない。


     *


「いらっしゃいませ──」


 きびきびとした若い女性の声──どうやらマーコの奥さんらしい。


 風の噂によると修行させてもらった店の大将の一人娘らしい。


 僕は扉を閉めて店のなかに入る。昼にピークを迎える前の定食屋の匂いがする。


 まだ客は僕の他にはいない。


 必ず行くといっておいたのに今日まで来なかったマーコの店。

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