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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第4章(ストリートから愛を込めて)
31/84

4-3

 店の中央にぼんと陣取っているのは、ビートルズのレコード盤でアビィ・ロード──ジャケットのなかのポールはひとりだけ裸足で、右手には煙草を持っている。


 ジョンは神父。リンゴは葬儀屋。ポールは死体。ジョージは墓堀人。


 フォルクスワーゲンのナンバープレートは281Fと縁起が悪い。


 ジョンとジョージはもう死んでしまった。


 けれどポールとリンゴはしぶとく生き残っている。


「あ、この人、女の敵だよね──」と、背後から声が聞こえる。


 振り返るとそこにはマキがいた。なんてことをいうんだ……


 マキはポールを指差して、ぽっぺを鋭く尖らせている。


 こんな小娘にそんなことをいわれる所以はポールの側にはないはずなのだが──女の敵などといってしまう──彼女の過去には一体なにがあったのだろう──??


「……ポールが嫌いなの?」


 曲は好きだよ──といって彼女は目線をはずした。


 ジョンの方が好き──そういって戯けてみせた。


 妻を愛してるといっておいてたびたびの再婚──女の敵なのかもしれない──だけど、ジョンは許せてポールは許せない女の子の心理が彼には到底理解できなかった。


「僕はジョージが好きなんだ」


「へえ、変わってる」


 変わっているとまったく認めるつもりはなかった。


 メンバーのなかで一番ルックスがいいのはジョージだし音楽的にも優れている。ダメダメなギターも愛くるしい。


 そんな戸惑いを完全にスルーして、マキは笑顔で微笑んでいた。彼自身もその笑顔を見ていると、そんなことはどうでもいいことのように考えてしまうのだ。


 本人曰く、彼女のビートルズ好きは父親からの影響であるらしい。そういえばあの()も、ビートルズがとても好きだった。

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