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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第4章(ストリートから愛を込めて)
29/84

4-1

〔Side.B 三人称〕


 この街にはアビィ・ロードがある。


 勿論、ここはイギリスではない。駅から街の中学にむかう住宅地の通りに三人が勝手に名付けた横断歩道がそれだ。


 十年前──三人はアビィ・ロードで例の奇行に及んでいた。中学3年の夏の思い出に、その愚行を八ミリのビデオカメラに録画する予定だった。


 しかし運悪く、その場所で地元の女子高生と遭遇してしまった。


 いつもその時間帯には、通りには誰も人はいない。


 まさか、その日に限って、女子高生に遭遇するとは誰も考えていなかった。


 犯行の一部始終がすぐさま警察に通報され、駆けつけた警官により三人は逮捕寸前──あわてふためき現場から逃げ去った。


 女子高生の携帯電話で撮影された映像は被害の証拠として警察に提出された後、遂には新聞やテレビなどのメディアを通して連日報道された。


 三人にとってアビィ・ロードは、思い出の地であるのと同時に二度と近づきたくない場所でもあった。だが、その横断歩道を彼はなんの躊躇もなく歩いていく。


 美樹とは違う女性の手を握っていた。


 街を歩く彼の隣で彼女はそっと手を握り返す。大きな瞳が愛らしく笑いかける。小さなほっぺを頻りに赤らめる所為でこちら側まで恥ずかしくなってしまう。

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