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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第2章(15歳の夏に三人が仕出かしたこと、そして……)
10/84

2-1

〔Side.B 三人称〕


 その日は、夕方までずっと雨だった。


 寝たり起きたりを晩ごろまでくり返し、もうすっかり飽きた頃にさっさと夕食を済ませると、彼は出かける準備を始めた。


 夜の8時をまわった頃には、雨もすっかり止んでいて街は静寂に包まれていた。彼は庭先から自転車を持ちだし、ペダルに足を乗せた。


 田舎の私道というのは砂利や砂やが所々に混ざりあい、なかなか自転車では走りにくい。そんなところをトラックや農業用のトラクターが通る所為で至るところに凹凸の窪みがあり、デコボコ道が簡単に出来あがる。


 案の定、何度か転倒しそうになる。


 そんな状況でも今日はなにか約束があるらしく、彼は足早に自転車を走らせた。街の灯りはもうこの辺りにはない。


 街の中央──繁華街の飲食通り。その辺りを真っ直ぐに進んでいくと端にポツンとある建物の二階。


 その店は昼は軽食を出し、夜になるとバーとかスナックまがいの営業をその場所でやっていた。ビアガーデンといった気の利いた施設はこの街にはないので、酒を飲もうと思うとこんな店に行くはめになってしまう。


 ココナッツという名前を聞くと南国の島国を思い描いてしまうが、残念なことにまったくといっていいほど、そんな雰囲気はこの店にはない。

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