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働かなきゃなあ  作者: xjw
9/20

手をつないで

 カオリが、「会いたい」とメールしてきた。

 僕らはファストフードで待ち合わせた。

「ヒロミのことが好きなの?」

「ああ」

「そう…」

 カオリは顔をゆがめた。

「お願い!私のこと、見捨てないで!」

 泣きそうな顔で、カオリは言った。

「…外、出よう」

 僕らは手をつないで、街を歩いた。

「…ありがと」

 カオリが小声でつぶやいた。

「…ゴメン」


 人の切れたところで、僕は立ち止まった。

「じゃ、ここで…」

 僕は背中を向けて、その場を去ろうとした。

「待って!」

「…もう、無理だよ」

 カオリのすすり泣く声が聞こえた。構わず僕はその場を去った。


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