7/20
いつものこと
放課後。カオリを待つ。
いつものことだ。
「ユウジ!」
ヒロミだった。
「どうしたの?」
「このあたりにユウジがいそうな気がしたんだ」
「僕、カオリを待たなきゃいけないからさ」
「いいよ。私、行くから」
そう言って、ヒロミはいなくなった。
それからどれくらい待っただろう?カオリから電話が来た。今日は来れないと。
帰り道、ヒロミがいた。
「すっぽかされちゃったみたいね」
「ああ」
「私がカオリの代わり、してあげる」
僕らは適当に街を歩いた。
「どう?」
「なに?」
「カオリと別れる気になった?」
「ならないよ」
「そう…」
ヒロミが笑顔で、
「じゃあ、帰るね」
僕らは、そこで別れた。