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非日常
いつもの待ち合わせ場所。
カオリが、制服姿の女の子を連れて現れた。
結構、かわいい娘だ。
「待った?」
「いや。それより、彼女、誰?」
「同級生のヒロミ」
「こんにちは」
「どうしたの?」
「ヒロミが放課後、ヒマだーっていうからさ。一緒に遊ぼうと思って」
「ごめんなさい。デートのじゃましちゃって…」
「いや、構わないよ」
あいさつの終わったところで、カオリがファストフードに僕らを連れていった。
座るなり、カオリのケータイが鳴った。
「…わかりました」
「バイト先?」
「うん。呼び出されちゃった。私、行かなきゃいけないから、あとは二人でね。ゴメン、ユウジ。ヒロミ、お願いね」
「わかった」
僕とヒロミは、ファストフードに、二人、残された。
「…あのー」
ヒロミが話しだした。
「大学生、ですか?」
「いや…」
まいったなぁ。ホントのこと、言わなきゃいけないのかよ…。
僕は、ヒロミのかわいい瞳に値踏みされているのを感じながら、一人、困っていた。