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捨てて
約束の場所で待っていると、ヒロミが来た。
「カオリじゃないの?」
「バイトなんだ」
「そう…」
ヒロミはつまらなそうな表情をした。
「私はカオリのピンチヒッター?」
「そういうわけじゃないけど…」
「いいの、それでも…」
ヒロミは腕を組んできた。
「うれしい…」
メールが来た。
カオリからだ。バイトがはやく終わったから会わない?という内容。
「行くの?」
「いいや」
僕はケータイを閉じた。
街をぶらつきながら楽しむ。
「今日は楽しかった」
「そうだね」
「ねえ?」
「なに?」
「カオリ、捨てて」
「えっ?」
「じゃなかったら、もう会わない」
しばらく迷ったあと、僕はキスで答えた。




