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日常
自分の部屋。
僕は、絵を描いていた。
猫の絵。
街の、みんながよく使う待ち合わせ場所。
僕は普段着で突っ立っていた。
「ゴメーン!待ったでしょ?」
カオリが、高校の制服姿で現れた。
走って来たらしい。息を少し荒くして。
「大したことないよ。それより、これ」
僕は、さっき描いた猫の絵を差し出した。
「わー、描いてくれたんだ。ありがとう」
嬉しそうに、カオリは絵を受け取った。
喫茶店。カオリのおごり。
「バイト、もうちょっとだから、あんまり時間ないんだ」
「いいよ。今度ゆっくりしよう」
しばらくして、バタバタと、カオリがバイトに向かった。
公園をぶらぶら。
僕はニート。高校生のカオリと付き合ってる。
彼女は働くのが好きで、デートは彼女のおごりになることが多い。
でも彼女はそれでいいと言う。
ユウジと一緒にいられればいいの。
と、彼女は言う。
ま、いっか。
僕は家に帰ることにした。