今と昔で変わったこと
一度下がったものは中々もとに戻らない、という話をよく聞きます。
例えば、給料や、下請け企業に支払われる報酬、あるいは、生活水準などです。
一度下がり、そしてそれを取り戻そうとしても取り戻せない。
それが続くと、いつの間にかそれが普通になって、更にそこから下がっていく、ということが起こります。
ギリギリまで生活費を切り詰め、それでも中々お金が貯まらない、生活が良くならない、これでは惨めなばかりです。
どこかで下がっているものを上げなければならないと思います。
バブルの頃のような給料の払い方は出来ないかもしれませんが、せめてそれに近い給料を払う、そういう努力は絶対に必要です。
昔のほうが幸せだった、なんていうことは馬鹿みたいな話です、経済が成長しているだとか、そういう数字よりも、人の幸せをまず第一に考えるべきではないでしょうか。
改善の兆しは見えますが、今も現在進行形で状況は悪くなっています。
何故なら、悪くなった状況で育った子供が大人になり、その大人たちは悪い状況が普通だと思っているからです。
暮らしをしっかりと改善しなければ、育ちの悪い子供ばかりが生まれます。
マナーや高貴さといった部分は、それを教育できる人間がいなければ子供に伝わることはありません。
礼儀がなっていない人間が増えているのはそういうことだと思います。
今上のほうの役職に付いている人は、自分たちが働きはじめたころと今とで何が違うかを意識してほしいと思います。
今の若い人間には、働くことは安い賃金でこき使われることだ、という認識が広まっています。
それは、自分たちの親が安い賃金でこき使われ、一向に暮らしが良くなる兆しが見えないからこそ根付いてしまった認識だと思います。
あの頃を忘れないで下さい、あの頃よかった状態に近づけるような努力を忘れないでほしいです。
今は特に、高卒で働く人間は少なく、大学を卒業していても就職が難しい、という話をよく耳にします。
今五十代に近い方に話を聞くと、彼らの世代は高校に行く人間と就職する人間とは半々くらいだったそうです。 しかし、今は大学に進学する人間のほうが多くなってきています。
地域差などもあるかもしれませんが、少なくとも高々半世紀ほどでこれほどまでに状況は変わっているのです。
大人が見えていないものは、多いのではないでしょうか。