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七話 頼りにされる、目つき悪い系男子

【タイトル変更のお知らせ】

「異能スクールアシスター」→「異能スクール ☆ アシスター」

に変更致しました。


内容は変わっていません。

いつもありがとうございます! よろしくお願いします!

「……柴助さん。その考えは少し違うかもっすよ。俺の霊感で何とか白百合さんと話せないか試してみていいっすか?」

 本当は霊感ではなく、異能だが……。

 それにこのまま放ってはおけない……!


「そんなことできるのかワン? 毎日話しかけても気づかれることすらなかったのに……」

 柴助は驚きつつも、嬉しそうな声色だ。


「青山先輩! 今の! 柴助と話せるかもしれないってことですよね。お願いします。ぜひ話したいです~!」

 白百合も話したい想いを切実に訴える。


「ちょっと待ってほしいっす」

 理人は異能トリセツを確認する。

 ……才能Eで可能な手段が、〝白百合の霊感を上げる〟という方法しかない……。コレは成功率低そうだぞ……。


「お待たせっす。成功率は低いけど、白百合さんの霊感を上げることなら可能かもっす。どうしますか?」


「私の霊感を上げれるなら上げてほしいです~! 自分の口で伝えたいことがあるから」

 白百合は真剣な瞳だ。


「分かったっす」

 理人はそう言い、栄養補助ゼリー飲料を一気に飲み干す。


「いくっすよ! はぁぁああああ! 上がれ霊感!」

 理人は両手を白百合に向ける。

 ぬぅ、頭痛がする……。異能使う度に何かしら身体に異常が出やすいな……。


「……あ、なんか降りてきてる気がします~。……柴……助……?」

 白百合はどうやら、柴助を認識できるレベルに霊感が上がったようだ。


「白百合、僕だワン! 柴だワン!」

 柴助は白百合に駆け寄る。しかし、無情にも白百合の身体を通り抜けてしまう。


「触れることはできないみたいっす。話せます?」


「柴助! 私の声聞こえる?」

 白百合が涙を浮かべながら、柴助に話しかける。


「聞こえてるワン! ずっと話したかったワン! 霊体になってから、話せるようになるとは思ってなかったワン! 嬉しいワン!」

 柴助は尻尾をブンブンと振り回している。


「私も……私もよ……。今まで小さい時からずっと一緒にいてくれてありがとう~! 私柴助がいてくれたから、父様がいなくても寂しくなかったよ……」


「そんな風に言ってくれたら嬉し過ぎて尻尾が千切れそうワン! ありがとう、ありがとうワン! 白百合……柴がしてたことはよくないことだったかワン?」


「……柴助……。柴助がしてたことは人を傷つけること。だからよくないことよ。もうしちゃダメ! 分かった?」


「分かったワン。ごめんなさいワン。白百合を守りたい一心で……。いや、言い訳ワン。柴は暴走してしまっていたワン……」


「私のことを想ってのことでしょ? みんなには謝りにいくよ~」


「いや、それは流石にワン……」

 柴助が焦りながら、言葉を失う。


「柴助さん、白百合さん、心配しないで。謝りに行くときは俺も行くっす。理由を伝えても納得されないと思うけど、俺がいればほんの少しは信憑性も増すはずっす。多分……」


「たしかに、霊感のある青山先輩が来てくれれば心強いです~! 柴助、もう心配はいらないからね。私は私で決めた道を歩んでいく」


「その言葉が聞けてよかったワン……。感謝するワン、そこのオス。いや、青山理人。白百合のことは頼んだワン……」

 柴助の放っていたどす黒い氣はなくなっていく。そして、柴助自身も薄れて消えていく……。


「柴助……柴助……。うぅ……。……泣いちゃダメね。……今までありがとうね。柴助」

 白百合は潤んだ瞳で消えていく柴助を見つめ続けた――。


 様子を見ていた市川はハンカチで涙を拭いていた。

「なんていいワンちゃん……。なんていい子達なんだ……。私、動物系の話に弱いからさ……」


 ◇◇◇


 後日、理人と白百合は幽霊騒ぎの被害に遭った男子生徒に謝って回った。基本的に男子生徒は振られた気恥ずかしさもあったのか、二つ返事で「大丈夫」と答えてくれた――。


 ◇◇◇


「青山先輩。今回は本当にありがとうございました~! すごくすごく、助かりました。まさか柴助と話せるなんて思ってなかったので……」

 白百合の目をうっすら涙が覆っている。


「そんなそんな。俺は機会を作っただけっすから。あれだけ想い合えてるのは、白百合さんと柴助さんだからっすよ」

 理人は白百合の目を真っ直ぐ見る。


「ありがとうございます。……そういえば、柴助が言ってました。青山先輩なら、任せてもいいって。これからも頼りにさせてもらってもいいですか?」

 白百合は純朴な瞳で尋ねる。


「ん……それって……?」


「柴助が青山先輩が頼りになるって思ったんだと思います~」


「あぁ、そういう意味っすよね! びっくりした……。白百合さん……あ、そういえば、柴助さんの影響で下の名前で呼んでるままだ……。瀬名さんってこれからは呼ぶっすね!」


「いえいえ、これからも白百合って呼んでほしいです~。下の名前で呼んでくれると柴助と話してるみたいで落ち着きます……」


「えぇ……。じゃあ、分かったっす。これからよろしくっす! 白百合さん!」


「はい! こちらこそです~! 青山先輩!」


【お読みいただきありがとうございます!】

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― 新着の感想 ―
ここまで拝読いたしました! 学園モノですねぇ。いいですねぇ。 そういうのは自分では書けないと思うので、 羨ましくもありつつ、すごいなと思います。 少し疑問に思った事についてですが、 異能とは…
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