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六十五話 ガチンコ恋愛バトル スタート!

「そうこなくちゃね……! 二人共、ここからは誰が勝っても恨みっこなしのガチンコ勝負よ……! 早速だけど、考えてることがあるわ。今日一日フリーでしょ? 朝昼晩と理人と二人きりで過ごすのはどう? 順番はじゃんけんでもしましょうか……」


 澄華が待ってましたと言わんばかりに、やや興奮気味に提案する。


「なるほど。それなら、みんな平等に理人お兄ちゃんと過ごせるね」


 糸がすぐに返答する。


「そうですね~。朝昼晩か~。どのタイミングがいいか悩んじゃいますね……」


 白百合が宙を仰ぐ。


「たしかに難しいところね……。まあ、そこはそれぞれの考えと、天運に任せましょう……?」


 澄華はじゃんけんするために、手に念を込めているようだ。


「あ! 澄華お姉ちゃん! 一つ質問! 今日に告白してもいいの?」


 糸が手を挙げて、純粋な瞳で尋ねる。


「そうね……。全員が納得すればにはなるけど、私は別に構わないと思うわ。どのみち、雰囲気やシチュエーションが重要になるでしょうからね。そこをルールで禁止にするのは野暮かと思っているわ」


 澄華が真面目そうに返答する。


「そっか。それもそうだね。私も澄華お姉ちゃんの意見に賛成するよ。白百合ちゃんは……?」


 糸は白百合の方に体ごと向く。


「私もお二人と同意見です~。シチュエーションも大事ですし、急いで告白して失敗という可能性もありますから。そこは納得した上で戦います~」


 白百合は語尾こそ伸ばしているが、気を抜いているようには全く感じさせない雰囲気だ。


「オーケー。じゃあ、決まりね。じゃんけんといきましょうか……」


 澄華の掛け声でじゃんけんが始まる。




 ――順番は、朝が白百合、昼が澄華、晩が糸となった。


「私が先頭バッターですね~。負けませんよ~」


 白百合が気合を入れた声を出す。


「私も負ける気はないわ……! いざ尋常に勝負……!」


 澄華も負けないくらいの気合を放つ。


「わ、私だって負けない……! ガチンコ恋愛バトル、絶対に勝つ……!」


 糸はやや自信のなさを覗かせるも、最後には勝つ気概を感じさせる――。


 ◇◇◇


「いやはや、これは思った以上の状況になりましたな……」


 景伍はここまで進んだ事態になるとは思っておらず、正直ビビっている。


「いや~そうだね。……でもあれだね……」


 市川は景伍と目を合わせる。何か言いたげな表情だ。


「……おそらく、拙者も同じことを思っているでござる……」


 そして、二人の声が重なる。


「おもしろくなってきた~!」


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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