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五十八話 ドキドキ肝試し④

 白百合が次の言葉を出そうとしたタイミングにて――。


「あなた達! 話が長いわ! 早く封霊石を回収するわよ!」


 澄華がやや顔を赤らめつつ木陰から顔を出す。


「なっ! 澄華! タイミングが悪いワン!」


 柴助が怒ったように声を出す。


「柴助……。いいのよ。抜け駆けはよくないわ。ねぇ会長?」


 白百合はいつもよりピリピリとした雰囲気で話しかける。


「柴助さんの名前が出たってことはドッペルゲンガーじゃないって認識でいいのかしら? 白百合さん?」


 澄華も全身からビリビリと覇気のようなものを発している。


「私は本物ですよ? さっきまでいたのはドッペルゲンガーだったみたいですけど~」


 白百合は間延びした声に様変さまがわりする。


「あら、そう……。…………え? さっきまで一緒にいたのドッペルゲンガーだったの⁉」


 澄華が涼しい顔から、一気に青ざめた顔に変わる。


「……会長も青山先輩と一緒にいたなら、そうなりますかね~?」


 白百合は推測を話すように語尾が疑問符になっている。


「ひっ! もう何を信じていいのかわからないわ! あなた達そもそも、本物なの?」


 澄華が疑いの目を理人と白百合に向ける。


「俺と白百合さんは本物っすよ⁉ ついさっき、ドッペルゲンガーの白百合さんは消えていったし……。会長こそ本物っすか?」


 理人は最早、何を信じていいのかわからなくなってきていた……。


「青山先輩……。本物だと思いますよ? あれだけ必死に止めるのは本物の会長だと思います~。ドッペルゲンガーへの反応も本物っぽい感じでしたし~」


 白百合が冷静な口調で話を進める。


「……随分、失礼な言い方ね。白百合さん。あなたに言われると何だか少し、腹が立つわ……」


 澄華が少しばかり、大きな目を細める。


「わぁ~、喧嘩はダメですよ! 何となく雰囲気で会長も本物だってわかったっすから!」


 理人が焦って二人の仲裁をしようとする。


「……まあ、わかったならいいわ。早いところ進みましょう。これ以上、怪奇現象に遭うのもごめんだし」


 澄華が進行方向を指さす。


 そこからは、三人でいるが話はあまりなく、黙々と歩いて進んでいった。


 理人は思う。ちょっと怖い雰囲気なんですけど……⁉


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