表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/71

二十話 高飛車系女子 守護大作戦!

 理人は澄華と話し終えた後、そのまま景伍のクラスに向かう。


「景伍、今すぐ相談したいことがあるっす。ちょっと、空き教室で話聞いてくれないっすか?」


 理人は真剣な表情で話しかける。


「これは理人氏。何やら火急かきゅうの問題のようですな。もちろん聞きますぞ」


 景伍はすぐさま、理人の言葉に応じる。


 ◇◇◇


 景伍は理人から事情を聞き、怒りの表情を浮かべる。


「ふざけた奴だ……。そのような輩、捨て置けぬ……! 必ずや我等で捕まえましょうぞ……!」


「ありがとう。景伍……。会長は俺達が必ず守る……」


 理人は心に誓う。澄華を……この平和な日常を守り切ると……。


「そうだ。理人氏、拙者に作戦が。この方法ならもしかしたら、争わなくても大丈夫やもしれませぬ」――。


 ◇◇◇


 放課後。


 理人と景伍は澄華と合流していた。


「会長。じゃあ、帰りましょうか。今日は俺達がいますから、安心してください」


 理人が澄華を安心させるようにゆったりと話す。


「ありがとう。でも、本当にこの作戦でいくの? 大丈夫かしら……?」


 澄華は心配そうに理人と景伍を見る。


「うまくいけば、ストーカーが諦めるやもしれませぬ。それに、何か行動を起こしてきたら、そこを拙者が捕まえまする。この動けるデブは合気道を修めております故、心配いりませぬぞ!」


 景伍がファイティングポーズを取ってみせる。


「それは安心だけど……」


 澄華は顔を赤らめる。


「会長、この前したじゃないすか。恋人偽装。それを今回もするだけっすよ」


 理人は冷静に声を出す。


「……あのねぇ……。この前はキャッチボールデートだったのよ……? 今回は本物の……恋人のフリをするの……。気の持ちようが違うでしょう……?」


 澄華はモジモジと身体を動かす。


「……会長、そういうとこ気にするんすね。『それくらいやってあげるわよ!』とか言いそうなイメージでした……」


 理人は素直に言葉にする。


「あなたねぇ。私のことなんだと思ってるの……? これだから、青山書記は……」


 澄華はやれやれといった様子で手をあげている。


「何か、すごくバカにされてるような……」


「まあまあ、お二人共そう言わず。とりあえず、恋人に見えるように、恋人繋ぎでもしてはいかかですかな?」


 景伍が真面目な顔で提案してくる。


「へ⁉ 恋人繋ぎ⁉ そんなのできる訳ないでしょう!」


 すぐさま、澄華が顔から手まで赤くして否定する。


 理人は思う。すごい即答……。流石に傷つくなぁ……。


「会長……。じゃあ、どこまでなら許容できるんすか……?」


 理人は声のトーンが数段落ちながら尋ねる。


「…………腕組み」


 ぽつりと澄華は呟く。


「……腕組みならいいんですね」


 理人は言葉を素直に繰り返す。


「そうよ! もう! 何回も言わさないで!」


 澄華は再度顔を赤くする。


「はいはい。わかったっす。…………じゃあ、早速……」


 理人は心臓が早鐘はやがねを打っているのを感じながら、腕を軽く空ける。


「…………はい。……行くわよ」


 澄華は恥ずかしそうに腕を組んでくる。


 理人も澄華も慣れていないからなのか、距離感が難しい。

 セーラー服の上からでもわかる、豊かな胸が腕に当たっている。


「か、会長……。そのぉ……胸……当たってます……」


 理人は澄華から目を逸らしつつ、ぼそっと呟く。


「な! この変態! そんなとこばかり意識してたの⁉」


 澄華はビンタをしてくるのではないか、と思うような勢いで言葉を飛ばす。


「わー! 暴力反対! ……仕方ないでしょ……? 俺も男だし、胸当たってたら、流石に気になっちゃいます……」


「…………まあ、正直に言ったし、悪気はないのか……。少し、距離を空けるわ」


 澄華は少しばかり腕組みの距離を空ける。


 ――はぁ~心臓に悪いよ……。前から見た目でわかってたけど、会長胸大きいな……。ってコラコラ、今はストーカーがいるかもしれないんだ。エッチなこと考えちゃダメだぞ俺……! ――。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
えっちなこと考えちゃう気持ちよく分かりますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ