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十話 オタク系男子と、慌てん坊

 生徒会室にて。


「いやぁ~。盛況ですなぁ~。スクールアシスターの学校新聞が発行されてから、理人氏への困り事の相談が増えてますぞ」


 こう話すのは、二年生、生徒会会計の男子生徒、須和景伍すわけいごだ。


 学校指定のブレザーをきっちりと着ている。小太りで黒縁メガネ。ボサボサの髪で、ぱっと見た印象はオタクと言っても差し支えはないだろう。


「そうっすね! 困り事解決できるのは良いことっす。ただ、俺一人じゃ全部は解決できなくて、結局生徒会のみんなにも手伝ってもらってるけど……。そこが、申し訳ないところかな……」


 理人は肩をすぼめる。


「なんの、なんのですぞ! 理人氏。生徒会は学校内の困り事を解決することも仕事のうち。拙者達が手伝うことに理由など最早不要! 今日も困り事の解決といきましょうぞ!」


 景伍からは張り切った返事がある。


「ありがとっす、景伍」


 そう話していると、生徒会室のドアがノックされる。


「どうぞっす~」


 理人が返事をする。


 すると、二人の男女が入ってきた。


 まず、大声で話し出したのは、男子生徒だ。


「青山先輩―! 助けてください! 俺、俺……ラブレターどこかで落っことしたみたいで……!」


 悲哀を纏った声が生徒会室に響く。


「ちょ、落ち着いて! ラブレターを一緒に探してほしいって困り事っすね⁉」


 あまりの男子生徒の勢いに理人も大きな声を出す。


「そうです! ああぁぁぁ……。こんなことになるなら、勇気を出して書いたりするんじゃなかったぁぁぁぁ……」


 男子生徒は半狂乱になる。


「分かった、分かったから! 景伍はそちらの女子生徒の困り事聞いてもらっていいっすか?」


「もちろん! しかし、二人の困り事を同じ部屋で聞くのはあまりよくない……。隣の部屋で拙者が話を聞くことでよろしいかな?」


 景伍の問いに女子生徒はうなずき、隣の部屋へと移動する。




「さて、改めて。どこで落としたか心当たりはないっすか?」


「それがぁ、思い当たる所は全部探したんですけど、なくてぇ……。困って困って……。あぁぁぁぁー! どうしよう……」


 男子生徒は再度半狂乱になる。


「俺も一緒に探すから、落ち着いて! まず、名前を教えてほしいっす」


「あ、すみません。自分の困り事ばかり……。僕は桐上慌緒きりがみあわおっていいます。……昨日に、意を決して書いたラブレターだったんですけど、お昼休みに確認するとなくなってて……。午前中は、体育の授業があって着替えとかでバタバタしてたので、その時に落としたのかもです……」


「桐上さん、状況は分かったっす。ただ、思い当たるところを既に探しているとなると、どうしたもんすかね……」


 理人は異能トリセツを確認する。

 なにか、落とし物を探せるような異能はないかな……。


 異能でできることは、トリセツを見る限り相当ある。

 もちろん、才能Eである、理人ではできないことが多い。

 それでも、かなりのことに対応できそうだ。


「うぅぅぅ……。やっぱり、探し回るしかないのかな……。ピンクの封筒に入れたから、目立つはずなんだけど……」


「あ! それだけ目立つなら、千里眼的な何かで見つけれるかも……?」


 理人は思わず声に出す。


「え……? 千里眼……?」


 慌緒はポカンとしている。


「あぁ……えっと、千里眼みたいに上から探せば見つかるかもって思ったんす!」


 理人はその場で思いついた言い訳をそのまま述べる。


「上から外を見ればいいのか……! たしかに! ありがとうございます!」


 慌緒は、礼を言った後すぐに走っていってしまう。


「ちょっと……。ってもういないっす……。う~ん、桐上さんが探して見つかるとも限らないよなぁ。まあ、俺が探しても一緒かもだけど。千里眼は才能B以上じゃないとダメなのが、トリセツ読んでて分かっちゃったし……」


 理人は三十秒程考える。


「まあ、桐上さんが外を探すなら、俺は一年生の棟を探すとするっすかね……」


 呟いた後、一年生の棟へと向かう。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


と思ったら


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