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「大体、何で『猿渡が逃亡した』なんて話を信じた?」

 車に乗り込んで、しばらく経ってから、副隊長が、そう言い出した。

「え?」

「猿渡は、今、ロクに歩けねえほどの怪我をしてるんだよッ‼ ど〜やって逃げんだ? ど〜やって?」

「いや、入院中だから知らなかったんですよッ‼ ん? ちょっと待って下さい……。じゃあ、猿渡は……」

 その時、車内の無線機に着信音。

『えっと、こちら隊長の中島(なかしま)だ。猿渡を収容してた独身寮から連絡が入った。逃亡しようとした猿渡を射殺したそうだ』

 何のギャグだ、おい? 脚本家の給料をケチった安いドラマやアニメか?「猿渡は無事なんですか?」と言おうとした途端にこれだ……。

「了解。一旦戻ればいいですか?」

 助手席に居た俺は、そう応答した。

『そうしてくれ』

 俺は無線通話を一旦切り……。

「ん? おっと……丁度良かった」

 何故か副隊長は車を路肩に寄せて……。

「おおいッ‼」

 車から出た副隊長は大きく手を振る。

「何やってんだ? 仕事中じゃないのか?」

 副隊長にそう言ったのは……自転車に乗っていた小柄な高校生らしい女の子。

「丁度良かった、自転車を貸せ」

「は?」

「自転車を貸せ。急に必要になった」

「何か……嫌な予感がするけど……壊すなよ」

「わかってる、わかってる」

「あと、バス代よこせ」

「へっ?」

「ここから歩いて高良山(こうらさん)の近くまで帰れってのか?」

「わかった、わかった……おい、おっと、どっちか小銭持ってるか?」

「誰ですか……それ?」

「ウチの妹。この近くの高校に通ってる。よし、池田、この自転車で支局まで戻って、隊長を助けて来い。私と大石は猿渡の阿呆がどうなったかを確認する」

「了解」

 隊長の名字は……「なかじま」であって「なかしま」じゃない。

 わざと「なかしま」と名乗ったのは……「マズい事が起きてるが、無線では話せない」って事を報せるチーム内の合言葉だ。

「あと、念の為、後ろのトランクに積んである簡易式の突入装備を持ってけ」

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