(16)
ちょ……ちょっと待て……これ、どうすりゃ……。
どげしっ。
「くっ……」
隊長が偽の新人の男の方を殴り付けた。
「この2人は、俺に任せろ。お前は、そいつらを……げふ……」
偽の新人の男の方が隊長を腹パン。
更に女の方が、隊長を背後から裸絞。
いや、俺の方も、俺と同じ装備の奴らが6名。
1対6で勝てる訳が……えっと……武器、武器、武器は……有った。
駆け出す。
しかし、背後から銃声、銃声、更に銃声。
おい、マジかよ?
実弾?
冗談じゃ……ね……えよ……。
とりあえず、武器が入ったロッカーの……扉の電子錠にコードを入力し……。
有った。
「喰らえ、このクソどもがッ‼」
ブーンという銃声……そして……。
銃弾が、壁に、そして、天井に、更に床に命中する音。
「うわ……っ」
「あ……阿呆だろ、こいつッ‼」
「誰か、止めろッ‼」
やっぱり無理でした。
汎用型じゃあ、パワー型用の装備のガトリング砲を上手く扱えません。
発射した途端、銃口は明後日の方向を向き、続いて銃口の向きは明後日の方向に変り、更に続いて、明後日の方向に……。
「と……止めろ……馬鹿……」
隊長の息も絶え絶えな声。
「は……はいッ‼」
「こ……この……クソ野郎がッ‼」
K−SAT達が、俺の方に走り寄り……そして……。
「うがあッ‼」
クソ重くてクソ頑丈なガトリングで一番近くに居たK−SATを殴る。
「ぐえ……っ」
あ……ヘルメットが歪んでる……。
「正気か、てめぇっ‼」
警察官が警察官に実弾ブチ込もうとする無茶苦茶な状況で、正気を保ってるヤツが居たら、そっちが正気じゃねえよッ‼
俺は、ガトリングを持ったまま、次のK−SATに突撃。
「ぐえ……お……おい、待て、撃つな撃つな撃つな……」
ガトリングの銃口の先端がK−SATの腹にブチかまされる。
おい、これ、どうすんだよ……。
「と……とめろ……撃つな……絶対に……撃つな……撃とうとしたら……」
おいッ‼
俺に、撃つなと頼んでるお前が、何で、俺に銃口を向けてる。
「や……やめろ……撃つな……」
「だったら、そっちも撃つなボケ〜っ‼」
「うるせ〜ッ‼ 撃つなって言ってるだろうがッ‼ 撃ったら殺すぞッ‼」
うわっ‼
このマヌケ、ホントに撃ちや……今の音、何?
奴が撃った銃弾とは別の……何か……変な……お……と……。
あれ?
俺の目の前に居た阿呆、どこ行った?
突然、どこに消え……?
えっと……?
何、この悲鳴……?
何で、みんな騒いで……?
あ……。
うっかり、引き金、引いてた。
腹に押し付けた銃口から……毎秒……何発だったか忘れたけど……この強化服の装甲を余裕で貫通出来る銃弾が、結構な数……。
ん?
足下が真っ赤……。
って……。
うわああああああッ‼ やっちまったのかよ、俺ッ⁉
俺の目の前に居た奴の体の大部分は、ガトリングの弾、弾、弾、弾、そして弾で、肉片・骨片、そして、血飛沫へと変貌していた。
ところが、更に銃声、銃声、銃声、更に銃声。
隊長が……俺が引き起した事態に呆然となってた偽の新人2人に反撃完了してたみたいで……。
「隊長ッ‼ 何やってんすかッ⁉」
「お前こそ、人の事、言えた義理かッ‼」
隊長は……偽の新人2人を、既に撃ち殺していた……。




