灰かぶりの姫と呪われし令嬢
夜が明け、シンデレラは暖炉の灰の中から見つけた輝く靴を手に、いつものように市場へ向かった。
人々は騒ぎ、予言の噂を耳にするたびに彼女の心は高鳴った。
しかし、彼女の運命が変わることを、まだ誰も知らない。
一方、マリアンナは屋敷の書庫を後にし、自らの力を試そうと決意していた。
彼女の血には禁断の魔法が流れており、それを制御することができれば、予言を覆すことも可能かもしれない。
彼女は秘密裏に禁じられた儀式を準備し始めた。
シンデレラが市場の喧騒を抜けると、ふと、不審な影が彼女をつけているのに気がついた。
街の暗がりから、何者かが彼女の行く手を阻もうとしていた。
彼女は心を強く持ち、追跡者を巧みにかわしながら、知らぬ間にマリアンナの屋敷へと足を踏み入れてしまう。
マリアンナは儀式の準備を終え、古代の言葉を唱え始めた時、予期せぬ訪問者の気配に気づいた。
彼女の部屋の扉が開き、汚れた服を着たシンデレラがそこに立っていた。
二人の目が交わり、言葉がなくとも何かが始まる予感に包まれた。
「何故ここに?」マリアンナの声が部屋に響いた。
「逃げていたら、ここに…」シンデレラは靴を握りしめながら答えた。
靴から漏れる光が、マリアンナの魔法の輪に反応し、部屋は強烈な光に満たされた。
その瞬間、マリアンナはシンデレラがただの灰かぶりではないこと、そして彼女が予言に縛られた命運を共有する者であることを悟った。
魔法の光が消えた後、マリアンナが呪われし血を引く者と直観したシンデレラはマリアンナの部屋から逃げ出していた。