幼馴染みと勉強会⑤
慌てて洗面所へ行って、何度か深呼吸をして自分を落ち着かせた。
それでも、麗夏のパジャマ姿がなかなか頭から離れず、ちょっとでも気を緩めるとすぐ思い出してしまう。
不意打ちは反則だろ……思春期の男子には刺激が強すぎる……それも好きな子のパジャマ姿だから特にだし……ってあれ? 俺今まで花音のパジャマ姿にここまでドキドキしたことあったっけ……? 見慣れてるのか?
「海斗君、まだ脱いだりしてないかな?」
「ひゃっ! は……はい、今からですけど……」
「良かった。 着替えとか渡すの忘れてたから、開けて大丈夫?」
「すぐ開けます!」
慌てて扉を開け、おばさんから着替えと下着を受け取った。
「着替えも下着も新品だから安心してね」
「ありがとうございます」
「ふふっ、シャンプーとかは1つしかないからね」
「えっ? は、はいわかりました」
なんでそんなこと言ってきたんだろ? まぁ……タオルの場所と脱いだ服を洗濯機に入れとく事は教えてくれて理解出来たけど……なんで麗夏と色違いでお揃いの青いパジャマなんだ……?
俺はそれ以上深く考えず、服を脱ぎ洗濯機に入れシャワーを浴びた。 もちろん、洗濯機の中を覗くようなことはしてないぞ? 魔が差しそうになる気持ちに打ち勝った俺を褒めて欲しい。
シャワーを浴び終えた俺は、渡されたパジャマに着替えリビングに向かうと麗夏は驚いた表情で目を見開いてた。
「そ、そのパジャマは……」
「ん? おばさんがおじさん用の新品だからって渡されたんだけど?」
「お父さん……の? な、なるほど……」
そう言って俯きなにかボソボソと呟いてるけどどうしたんだろ?
「あら? サイズピッタリでよかったわ」
「自分でもピッタリなぐらい丁度いいので驚きました」
「ふふっ、それなら良かったわ。 ……麗夏もそう思うでしょ?」
「ふぇっ!? ……う、うん……そうだね……あはは……」
いきなり話を振られ驚いきながら顔を真っ赤にしながら、視線を泳がせてた。
「とりあえず、洗濯とか今からしとくから、2人は勉強だったかしら? だったら──」
「そ、そう! 今から勉強するから! ほ、ほら海斗部屋行こ!」
これ以上なにかを言われたくないみたいで、話を遮るように麗夏はそう言って椅子から立ち上がり、俺を連れてリビングを出た。
麗夏が近くに来た時、シャンプーの香りがした瞬間、俺はおばさんがあの時言ってた意味を理解し、耳まで真っ赤になった。




