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一夜明けて

 ピピピピッ♪ピピピピッ♪


 俺は寝ぼけながら手探りでスマホを探し、アラームを切った。

 昨日の事で、これからの事を色々考えてたら寝る時間が遅くなり、寝不足気味だった。


 アラームを切ったスマホを覗くと、メッセージが来ていたから、誰かと思い確認したら、麗夏(れな)だった。


『早起きしちゃった♪ おはよう海斗』


 早起きって……6時前!? いやいや早すぎだろ!? 俺ですら早起きのつもりで6時半に起きてるのに……それとも、何かあったのかな?

 俺は心配な気持ちもあり、急いで返事を送った。


「おはよう。 ごめん! 今起きた。 それより、そんなに早起きして何かあったのか?」


 俺は麗夏に送信して、顔を洗って目を覚まそうとベッドから降りたら、返事が来た。 え……ずっと待ってたの!?


『なんもないよ? ただ、昨日のことが嬉しくて、早く起きちゃっただけ♪』


「そうなのか?ならいいんだ」


 俺は、麗夏の返信を見た時、思わず心の中で叫んでしまった。

 可愛いかよ! 麗夏ってそんなキャラだったっけ!?


 俺もなんだかんだ浮かれてる事に気が付き、少し恥ずかしくなった。

 その後数通やり取りした後、1階に降りて行き顔を洗った。

 サッパリして、リビングに行くと母さんが朝ご飯を作ってた。


「おはよう母さん」


「あら?ちゃんと1人で起きるなんて珍しいわね?」


「ちゃんと起きてるよね?」


「何時もはアラーム鳴っても暫くはベッドの中でモゾモゾしてるでしょ?」


「まぁ……ちゃんと起きる時もあるよ」


 そんな事を話しながら母さんの手伝いをしてたら、チャイムが鳴った。


「おはよう海くん♪」


「花音おはよう」


「お義母さんもおはようございます♪」


「花音ちゃんおはよう♪」


 花音は、俺達に挨拶をして鞄をリビングの隅において、母さんの手伝いを始めた。

 それにしても、女性の準備は時間がかかるって言うけど、花音は一体何時から起きて準備してるんだろ?

 俺がそんな事を、二人を見ながらボーッと考えてたら、花音がクルッと俺の方を振り向き、ニッコリしながら話しかけてきた。


「今日もお昼のお弁当楽しみにしててね♪」


「あ、あぁ……忙しいのにありがとう」


「海くんが、美味しそうに食べてくれるだけで、私頑張れるからね♪」


 そう言って、嬉しそうにしてる花音を見ると、麗夏との事が申し訳なく思ってしまい、さっきまで浮かれてた自分が恥ずかしくなった。

 それを察してなのか、花音はそっと俺の方まで近づいてきて、そっと顔を近づけてきて、耳元でそっと囁いてきた。


「麗夏とこ事で、海くんが負い目を感じる事は無いんだからね?」


 そう言って、鼻がくっつきそうなほど近い距離で微笑みかけてきた。


「ごめん……」


 俺は、どっちに対してなのか、それとも両方になのか、ハッキリしないまま謝った。花音は、一瞬キョトンとしたけど、またクスッと笑いそっと抱き寄せてきた。俺は、突然の事に驚き口を開いたが、柔らかいものに塞がれてしまった。母親もいるのにと、恥ずかしくて顔が熱くなってくのがわかった。

 そんな俺の頭を、花音は優しく撫でてきた。


「今海くんは、真剣に悩んでるんだよね?」


 俺は上手く喋れないから、頷いた。


「確かにあの日、私が誤解しなければ……麗夏が海くんに思いを伝えなければ……海くんが麗夏の想いに応えなければ……そんな、たらればな事ばかり考えても、今が変わる訳でも無いんだからね? もちろん私も辛いよ? 本音を言えば、麗夏を許せないし、今にも海くんに縋って泣きたいんだよ? でも、もう決めた事だからって、私は真剣に向き合おうと思うの。 だって、そうしないと……海くんが居なくなっちゃいそうで……不安で怖いんだよ……」


 そう言って花音は、俺の頭を撫でてた手に力を込め、離したくないと抱きしめてきた。俺は、花音を抱きしめようと腕が動いたが、一瞬麗夏の顔が頭に浮かび、動きを止めてしまった。


「2人とも、何朝からお母さんに見せつけてるのかなぁ~?」


 俺と花音は、その声に驚き、バッと離れた。離れた時花音の顔を一瞬見たら、瞳が潤んでる様に見え、俺の心は締め付けられる様な痛みがあった。


「もう、お義母さんデリカシーないですよぉ? もう少し海くんの温もりを感じたかったのに」


「ふふっ♪ 花音ちゃんは、付き合ってから本当に素直に海斗への気持ちを言ってくるわねぇ♪」


「そりゃそうですよ♪ だって、私は海くんが何よりも大好きなんですから♪」


「あらあら♪ 結婚するまでは、孫ができたとかは嫌だからね?」


「ふぇ!? ま、孫って事は……わ、私と海くんの……」


 どうやら母さんの一言が強烈だったらしく、花音は耳まで真っ赤になり、両手で顔を隠し恥ずかしそうにしながら、ちょっと開いた指の間から、俺の方をチラチラと見てきてた。


「母さん! 花音が、困ってるだろ? 流石に朝からそんな話はやめてくれよ?」


「あら? そんな事言って、さっきそこでイチャイチャしてたのは誰かしら?」


「そ、それは……そんな事より朝ご飯食べようよ?」


「もう、海斗まで恥ずかしがっちゃって♪ もうできるから、海斗も花音ちゃんも、座って待ってなさい♪」


 そう言って母さんは、嬉しそうに朝ご飯をテーブルに運んできた。

 母さんが今の俺達の状況を知ったらどうなるんだろ? そんな怖い事を考えながら、俺は椅子に座った。

お楽しみいただけましたでしょうか?

是非感想と評価よろしくお願いします!!


☆☆☆☆☆→★★★★★


なんてこともして貰えたら、今後のモチベーションにもなりとても喜びます!

他にも短編いくつか書いてますので、ぜひそちらもよろしくお願いします!

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更新は遅めですがこちらも是非よろしくお願いします 痺れる刺激と甘い唇~独占欲強めな為毎日マーキングします!~ https://ncode.syosetu.com/n1511hb/
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