初めての....⑤
父さんは花音たちの様子を見てくると言って部屋を出てから
どれくらいだったんだろ...
一向に誰も来る気配がない...
そうなって来るとさっきまで緊張してたのも緩んできて
だんだん手持ち無沙汰になってきた...
ラノベでも読むか...
俺はスマホに入れてるラノベを読むことにした
人気上位だったから選んだが...
「幼馴染みの事が好きだけどいつも一緒にいる幼馴染みの友達にドギマギさせられる」だって...
なんか読んじゃ行けない気がするんだけど...
タイトル的には気が引けるが人気みたいだし読んでみるか
俺はテーブルの近くにある背もたれ付きの座椅子に座り読み始めた
内容としてはよくある内容で
幼馴染みに恋心を抱く主人公がどう告白したらいいかを
幼馴染みの友達に相談するのだが
その翌日からその子との距離が近くなり
次第にその子を好きになってく...
そして幼馴染みもそれを見て焦ったのか
態度が変わるという
三角関係ものだった
そんな事あるのか?
って思いながらも
読んでみたらコレが意外と面白い...
「何読んでるの?」
「うわっ!?」
集中してたからか花音が戻ってきてたことに気が付かず
不意に話しかけられた俺はビックリして
スマホをテーブルに落としてしまった
「どれどれ?....え?」
「あっ...あのな...人気があるから読んでただけで...」
タイトルバレたー!!
絶対見せてはいけない人にバレたー!!
俺は普段とは違う冷たい汗が出てくるのがわかった...
「へぇーほぉーふーん」
「な...なんだよ?」
「幼馴染みの友達ねぇー」
「うっ...あくまで小説の内容がだからな?」
なんで俺言い訳みたいなこと言ってるんだろ...
「それを今この状況で読むんだへぇー」
「なんか怖いぞ?」
「そりゃ怒るよ!」
「ごめん!!」
「まぁ小説だから良いけど...それより
私の事嫌い?」
「嫌いじゃない...です」
「そっか...なら継続するから」
「はい?」
「お互い嫌じゃないんだから契約継続いいよね?
それとも...」
「な..なんだよ?それに契約はもう..「幼馴染みの友達」わかりました継続でお願いします」
「来れてこの話はおしまいね♪ふふん♪」
なんか有無を言わさ無勢いで決められた気がする...
やっぱ怒ってんじゃん...
とりあえず仲直りはできたみたいだからよかったけど...
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まさか部屋に戻ったら
かー君私に気が付かないし
真剣にスマホ見てたから私が声掛けたら
すごく驚いてるからこっちまで驚いた
驚いて落としたスマホを拾ってあげようとして
なんとなく画面見た時
私は一瞬固まった...
タイトルが...
かー君...それは内に秘めた想いなのかな?
遠回しに私に伝えてるのかな?
何故か頭の中に麗夏とかー君のこの前のやり取りが浮かんだ..
そんな事ないのわかってるのに今になって嫉妬心が...
ごめん麗夏今だけは許して
そしてふとコレはあの作戦を実行するのにちょうどいいと思い
私は意地悪しながら実行した
教えて貰ったやり方は簡単だった
かー君に嫌いじゃないと言わせるだけ
あとはそれを理由に元に戻して終わり
我ながら上手くいったよ♪ありがとうかー君のお母さん
「そうだコレからは言いたいことはちゃんと言い合おうよ
その方が喧嘩とかしにくいだろうし」
「俺はそれでいいぞ?」
「まぁ私は今のところ大丈夫だけどかー君は何かある?」
「なら...かー君って呼ばれるの恥ずかしいなと....」
「えぇー!嫌だった?ならどう呼んで欲しい?」
「えっと...海斗君か海斗さん
それか海君とか...」
「なら...海君で」
「わかったそれで頼む」
そうして私はカー君改め海君と呼ぶことにした
その後私たちは色々話したりしながら楽しく過ごせた




