08 現代の茄子は安い
二月の中旬
小さな農園佐伯ファームに彼らの王国はある。
ナァス、ナァスとナス達の喋る声が聞こえる。
良く耳を傾けないとと聞こえない小さな声で、今日も彼らは愉快にお喋りを始める──
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「奈良時代はナスは貴族の食べ物で庶民は食べれなかったんだって」
「そんなにも価値があったんだ......」
「徳川家に献上されてた折戸ナスってのも現代の値段に換算すると十万円を越えていたんだってよ」
「僕らもその値段だったら佐伯ファームが本当の王国になるってるわ......」
佐伯ファームは家庭で食べられている普通のナスを育てるごく一般的な農家だ。
「江戸時代の頃には徳川家に献上されるような高級ナスもあったけど、もうちゃんと庶民の食べる茄子もあったんだよ」
「良かった。ちゃんと庶民にも手が届いたんだね......」
「それが続いていて、今でも皆が食べられるくらい安くて嬉しいね!」
「今現在、施設栽培の普及や栽培技術の向上によって年中食べられるようになってるんだって」
「凄い!いつでも安く食べれる......本当に日本食には欠かせないね......」
「皆のナス愛が熱いね......」
「今は冬だから寒いね......」
「「「(そのセリフの方が寒いわ!!)」」」
......今日もナス王国は平和だ。
独立行政法人農畜産業振興機構
を勝手ながら参考にさせていただきました。本当にありがとうございます。
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トピック
・奈良時代のナスは高級品
・江戸時代には折戸ナスという高級ナスがあった
・江戸時代にはもう庶民もナスを食べていた
・高級品だったナスも今ではウリと大体値段が同じくらい
・佐伯ファームは普通の農家........