28 まだまだたくさんあったナスの諺
更新が遅くなって申し訳ございません。
その代わり、いつもの三倍くらいの量です。
三月下旬
小さな農園佐伯ファームに彼らの王国はある。
ナァス、ナァスとナス達の喋る声が聞こえる。
良く耳を傾けないとと聞こえない小さな声で、今日も彼らは愉快にお喋りを始める──
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「まさか......」
「まだ......諺があるとは......」
「「作者もうナスの諺ないとか言ってたのにね」」
「......ドジっ子なんだな!」
「それなーァス!」
「......そうなのか?」
「まあ、ナスを育てる上での諸注意についての有名じゃない諺だからね......」
「諸注意ってそれは諺で、良いのか......?」
「それなーァス!」
「説明しよう!
諺とは、古くから人々に知られてきた教訓的なものだ!」
「諸注意も教訓だもんな!」
「大丈夫そうだ」
「じゃあ、始めようか」
「「ナスを育てる説明を!」」
「諺だよ......!?」
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『ナスは友露うけねば千成る』
「離して植えれば、たくさん実がなるよってこと」
「嫌だ!私は誰とも離れたくないわ!」
「大丈夫!僕らはいつも土で繋がっているさ......!!」
「ステキ!!」
「今は、全く繋がってないけどね」
「苗木は一個一個、個別の苗で育てられているからね」
三月下旬はまだ苗で育っています。
「雰囲気を壊すなー!!」
「「......だって羨ましいんだもん」」
「そうか......」
正し、ナスの苗に性別はない。羨ましい理由は良く分からない。
「一緒に居よう、居たいということをほのめかせるのが、格好良いぞ」
「「わかった、やってみる」」
正し、ナスの苗は離すが良い。近い位置だと互いに害である。
一緒に居たいという理由は......分かる気もするが。
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『ナスの色は肥の色』
「肥料が無いと、実の色が薄くなるんだって」
「だからって肥料たくさん買って、たくさん撒いたら」
「財布の厚みが薄くなるんじゃあ」
「でも、高値で売れるから元通り」
「じゃあ、安心!」
「「......(たまに天災で全滅ってこともあるけどね)」」
日々、様々な障害と戦って、美味しいナスを育てている農家の皆様には本当に感謝しないといけないと思う。
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『ナスをちぎるとき肥おけをかついでゆけ』
「収穫の際は肥料を撒けって意味だけど」
「ほどほどが大切だからな!」
「もし、撒きすぎると......」
「病んでて、心が曲がったナスになるよ」
「ならないよ!?」
「まあ、でも肥料を撒きすぎると......」
「病気にはなるな」
「形の悪いナスにもなるな」
「何故かさっきの説明でもほとんどあってるな!?」
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『七夕祭りの日にナスの畑にはいるな』
「説明しよう!
陰暦の七夕(今の8月始め)は気温の高い日が続き、畑が乾燥して根が切れやすくなっているので、畑での作業は気をつけなくてはいけないってことだ!」
「乾燥してるなら水やれよ......」
「それなーァス!」
「水をやる作業も気を付けろってことだろうね」
「それなーァス!」
「「賛同してるだけじゃなくて意見はないの??」」
「それなーァス!」
「「君に言ってるんだけど!?」」
「温度変化と根が切れることが気になるなら温室で室温管理徹底して、水耕栽培しろよ」
「「それなーァス......ハッ!つられて言ってしまった」」
水耕栽培は畑で育てないので、間違って根を踏む心配がない。
温室を使えば気温の高い日でも温度を一定に保つことができる。
ただ、諺が作られた頃に水耕栽培も温室の無かっただろうよ......。
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『なるほど千切る秋ナスビ』
「秋は実が小さいうちに早めに収穫すれば、次々と収穫できる」
「なるほど秋ナスは良くとれるものだ」
「という、二つの意味があるよ!」
「ナスは一つの苗にたくさん実をつけるからね」
「実は小さい内に収穫すると出荷できないんだけどね」
「じゃあ、収穫しちゃダメじゃん!?」
「でも、新潟ナス農家さんは収穫しちゃうんだよ」
「何故!?」
新潟都市伝説
それはナスの栽培面積が日本一なのに
出荷量が日本一ではない不思議な県の農家でおこる。
「ナスは小さい時に食べるのが一番うまいよな!」
「だな!」
「小さいナスを漬け物にするとうまいよな!」
「味が濃厚だよな!」
「出荷しないで、食うか」
「そうするべ!」
こんな感じで出荷せず食べる農家が多いため新潟県はナスの生産地として有名になれないそうな。
この事に県は頭を抱えているそうな。
だがこれはあくまでも都市伝説......。
信じるか信じないかはあなた次第......。
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『ナスは輪作ゴボウは連作』
「ナスが連作障害おこすから、輪作しろってこと」
「今では、接ぎ木苗を使えばナスも連作できるようになったけどね」
「詳しくは3話を参照!」
「ゴボウは続けて栽培した方が良いってこと」
「詳しくはネットを参照!」
「似た言い方だけど、扱いが違う......!!」
「ゴボウははナス科じゃないから」
?:「だからって見捨てないでよね!」
「「!?」」
?:「勘違いしないでよね」
「「何を!?」」
?:「ゴボウだって......同じキク類でしょ?」
「キク類の範囲めっちゃ広いから!!」
?:「オナジナカマデショ?」
「「......ですね、はい」」
かなり大きい範囲の分類ではあるけれど同じキク類なそうです。
詳しくはネットを参照!
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「ねえ、これらの諺さ......」
「現代社会の教訓が一切ないよ......」
「学校のテストでも使えないよ......」
「覚える意味全く無さそうだよ......」
「待て!」
「き、貴様は!ジーニナァス!?」
「使えそうなシチュエーションを考えたぞ!」
「「「......」」」
シチュエーション:
ロマンチックな七夕の日も仕事で彼女とデートをしない奥手な息子のいる父親が、息子にデートスポットのペアチケットを渡しながら話しかけようとするのだが、その場に彼女も居るので、比喩を使って上手く誤魔化したい時。
「『七夕祭りの日にナスの畑にはいるな』」
(意味:ナスの畑にはいるな→仕事をするな、彼女にかまえよ)
チケットの入った袋を息子に手渡す。
「お、親父......!!」
「......(絶対ないな)」
「皆も使える時があれば使ってくれよな!」
「「......」」
「まあ......どこかしらで使えるかもよ......」
「それはないなーァス!」
「だよね!」
......今日もナス王国は平和だ。
ナスの絵本
を勝手ながら参考にさせていただきました。本当にありがとうございます。
ゴボウは同じナス科の仲間でも無いですし、詳しくないので見捨てました。
あと、七夕のシチュエーションは絶対使えないです。一体誰があのようなシチュエーションを想像したのか......。
トピック
・苗木は一個一個個別の苗で育てる。
・肥料が少ないと薄い色になる
→スーパーでは濃い色を買おう!
(黒すぎるのは危険ですが)
・新潟はナス栽培面積日本一。
・でも何故か出荷量は日本一じゃない。
・ゴボウは連作可能。
・全部覚えなくて良いですよ(*^^*)




